馬の臨床においてもMRIは関節や骨の状態を評価するのに有用であることが示されています。 飛節においてもこれは同様で、他の画像診断よりも詳細な評価が可能で、病的な所見を検出するのに優れています。 特に骨折の診断では通常の4方向のX線検査では検出でき…
飛節を構成する第三足根骨の盤状骨折に関する治療報告は数報あります。 古い報告では、スクリューによる外科的な整復を行った2頭は競走復帰できたが、保存療法をとった3頭は、長期的な休養にもかかわらず骨関節炎が進行して跛行が残り、調教復帰がかなわなか…
競走以外の目的で使用されている馬にも足根骨骨折が発症することが知られています。 今回紹介する文献では、乗用の馬でも、CT画像をもとにした理想的な内固定術を行うことで、跛行なくもとの運動や競技に復帰できることが示されています。 足根関節の骨棘や…
中心足根骨の骨折は、第三足根骨に比べるとまれな骨折です。 特に非競走馬ではまれな骨折ですが、これは単純X線検査でも十分に診断可能で、底外-背内方向(斜め外側から)で少しずつ角度をずらしながら撮影することで診断可能です。 // 参考文献 pubmed.ncbi…
少し古い文献にはなりますが、足根骨盤状骨折が内科療法では競走復帰が難しいことが示されています。 スタンダードブレッドとサラブレッドの競走馬11頭でみられた調教またはレース中の骨折で、長期休養のみでは運動復帰がかなわなかったと報告されています。…
飛節構成骨である足根骨は、近位-遠位方向の体重による負荷を受け、盤状に骨折します。 大きな骨片は内固定術を行うことが推奨されていて、競走中により大きな負荷がかかると想定されるサラブレッドでは、保存療法では競走復帰の率が低いことが知られていま…
球節より近位の管骨後面には、ときどき外骨症という骨形成がみられることがあります。これまで私が経験した症例は、特にこれに関連した臨床症状がない、たまたまみつかった(偶発的な)所見にすぎませんでした。超音波検査を行った症例でも、明らかに繋靭帯…
成長板の閉鎖は、長骨成長の終わりを反映しています。これまでに紹介してきたとおり、その時期は部位によって異なり、サラブレッドであれば5-6歳まで成長することが知られています。 equine-reports.work 骨の成長の指標となることは分かりましたが、骨が成…
馬の長骨の伸長をつかさどる成長板は、肢端から順番に閉鎖し成長が止まっていきます。馬において最も骨が成長する時期は生後6か月で、それ以降は徐々に成長が止まっていきます。 サラブレッド種の馬において、球節部(第一指骨と第三中手/中足骨)の成長板は…
骨代謝のマーカーとしてモニタリングされることの多いALP(アルカリフォスファターゼ:アルフォス)について馬での軟骨における活性動態を調べた文献があります。 はじめに 研究の目的 結果と考察 参考文献 はじめに この文献では、まず成長板に存在する軟骨…