育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

カリフォルニアの競走馬における脛骨完全骨折の特徴(Samolら2021年)

競走馬の脛骨骨折は、ほとんどが粉砕骨折で、内固定による整復や支持を行うことが困難で予後不良と判断されるケースが非常に多い骨折です。 この骨折部位は、疲労骨折もよく発生することが知られています。疲労骨折の特徴は、競走馬としてキャリアの浅い、デ…

第三中手骨遠位掌側の疲労骨折(Shanら2021年)

ひどい捻挫か?球節炎か?と思うような症例のなかには、第三中手骨遠位掌側における横方向の疲労骨折が発生している可能性があります。 関連する過去記事はこちら equine-reports.work (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); この疾患は、初診…

馬胃潰瘍の治療における2つの用量の比較(Sykesら2014)

現在、馬胃潰瘍症候群に対する薬物治療の主軸を担うのは、胃酸分泌抑制効果を持つオメプラゾール(商品名ではガストロガードなど)です。 この薬剤による胃酸分泌抑制効果は、低用量でも確認されていて、予防的な効果を期待して低用量投与がなされることもあ…

調教中のスタンダードブレッド競走馬における胃潰瘍所見率と年齢と性別の関連

サラブレッドだけでなく、スタンダードブレッド競走馬にも胃潰瘍はよくみられることが報告されています。 文献のハイライト 調教しているスタンダードブレッド競走馬では、胃潰瘍の所見率が87%と非常に高いことがわかりました。 年齢別にみると、2歳馬のほ…

サラブレッド競走馬における無腺部胃潰瘍の横断的研究(Vatistas1999)

調教しているサラブレッドのほとんどが胃潰瘍を持っていることはこれまでに多くの調査で明らかとなってきています。では、その具体的な影響はどうでしょうか。 この調査では、調教しているサラブレッド競走馬において、82%が胃内視鏡検査で胃潰瘍病変が確認…

症状がある馬とない馬の胃内視鏡所見の比較(Murrayら1989)

さまざまな年齢の馬を調査したところ、胃粘膜潰瘍の所見率と病変のグレードは、症状がある馬の方が高いことがあきらかとなりました。 レースに向けたトレーニングをしている馬とトレーニングしていない馬を比較すると、トレーニングしている馬の方が所見率と…

調教中の馬におけるオメプラゾールによる胃潰瘍症候群の予防的治療(Masonら2019)

PRISMAのガイドラインに基づいて、過去の文献検索を行い、メタ解析を行った調査があります。377報から7報を選択し、研究に組み入れました。 ここでは、馬の胃潰瘍治療に最も多く用いられているプロトンポンプ阻害薬であるオメプラゾールについて、これを予防…

競走馬の胃の病変に関わる要素(Murrayら1996)

現役サラブレッド競走馬に関する胃潰瘍の調査をまとめた報告があります。 この調査では、調教中のサラブレッド競走馬では、93%に胃潰瘍病変が認められました。性別、年齢、抗炎症薬などの投薬歴では差が見られず、直近2ヵ月の出走の有無が病変グレードと関…

競走馬の胃潰瘍の所見率と発生分布(Beggら2003年)

馬の胃潰瘍は、競走馬のほとんどにみられる疾患であることが、数々の調査で判明しています。 今回紹介する文献では、345頭(うちサラブレッド331頭)のうち、86%で胃潰瘍がみつかったとされています。胃粘膜が損傷した状態を評価する重症度分類は、潰瘍の深…

腱損傷により引退するリスク因子を同定するための調教データの評価(Lamら2007)

競走馬が受けている調教が、どんな損傷のリスクになるかというのは非常に難しい問いです。 それぞれの馬の状態に合わせて調教を行うことが普通ですので、一貫した条件がなく、明確なリスク因子を特定することは、回顧的調査では難しいです。 香港における競…