育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

足根関節OCD検出におけるX線超音波検査の比較前向き研究(Relaveら2009)

調査で分かったこと 脛骨内果の病変検出は難しく、関節面を完全に評価することが難しいことが原因と思われます。骨の形状から、まったく骨を重ならないように撮影することが難しく、また限局した病変はわずかな関節表面の変化のみで、X線検査では検出できな…

脛骨中間稜内側面のOCD病変(Kadicら2020)

調査で分かったこと 脛骨中間稜の病変は飛節のOCDでは最も多いとされます。これは骨片が比較的大きく、内外像または背外底内45度斜位像でほとんどが診断できます。 しかし、2020年に掲載されたこの文献では、脛骨中間稜内側面にのみ発生するOCD病変について…

サラブレッド1歳馬のレポジトリ検査でみられる明らかな病変の分布と所見率(Oliverら2008)

ニュージーランドのサラブレッド1歳における飛節と膝関節の骨軟骨病変所見率の調査。

若齢サラブレッドの膝関節と飛節のOCD治療(Clarkeら2015)

膝関節OCD(大腿骨滑車)と飛節OCD(脛骨中間稜)は、購買前検査(レポジトリー検査)でよく見つかる病変部位です。 近年ではセリよりも前に検査を行うプレレポジトリーや、スクリーニング検査が増加してきており、OCDの診断が早まってきています。 これらの…

脛骨中間稜のOCDがある馬の軟骨由来バイオマーカーと炎症メディエータ(de Grauwら2006)

調査で分かったこと 主な軟骨基質であるⅡ型コラーゲンの代謝変化は、プロペプチドおよび断端をイムノアッセイで評価したところ、OCDの有無で有意な差はなかった。 リン脂質が代謝されてできるエイコサノイドは、LTB4およびPGE2濃度がOCDの有無と関係し、臨床…

脛骨中間稜OCDに対する関節鏡手術とバイオマーカーの変化(Brinkら2015)

調査で分かったこと このチームの調査では、過去に関節腫脹のあるOCD症例馬において、病理組織学的に滑膜炎を示す滑膜細胞増殖および炎症細胞浸潤があること、およびそのスコアリングが評価に有用であることが示されています。 equine-reports.work (adsbygo…

OCD術後の下腿足根関節腫脹と跛行(Brinkら2009)

調査で分かったこと さまざまな年齢の馬におけるOCD症例馬の術後成績調査で、跛行、関節腫脹、屈曲試験について長期的に評価しています。 この調査では、跛行はもともと軽度でああったものの術後には明らかに改善すること、屈曲試験に対する反応も明らかに改…

脛骨にOCDのある馬の下腿足根関節滑膜の組織病理所見と臨床症状の関連(Brinkら2010)

調査で分かったこと 飛節のOCDのなかでも最も多く見つかる脛骨中間稜のOCDについて、臨床的な所見や滑膜の病理組織所見との関連を評価した調査があります。 症状を示さないOCDも多くありますが、関節腫脹を伴うOCDの症例では、病理組織学的に滑膜の細胞増殖…

飛節OCDに対する背側と底側ポーチに対する関節鏡手術と臨床的特徴と追跡調査(Jamesら2016)

OCD

調査で分かったこと 飛節OCDのある症例では、背側だけでなく底側の関節包をルーティンに検査することでメリットがあるかもしれないという報告。 実は軟骨のごく小さな病変が約半分にみられ、10%ではX線検査で検出できない骨片を摘出することができました。…

飛節OCDに対する関節鏡手術の結果(Mcllwraithら1991)

飛節のOCD 下腿足根関節(飛節)のOCD好発部位は、脛骨中間稜、脛骨内果、距骨滑車などが挙げられます。 OCDは骨軟骨形成過程で異常が起き、離断してしまった骨軟骨片をさします。OCDは関節腫脹と関連することがあり、関節炎が持続すると跛行の原因となるこ…