育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

子馬の脛骨OCD早期病変(Olstadら2007)

調査で分かったこと OC病変がどのように形成されるかは、馬よりも豚で研究が進んでいます。 豚におけるOC病態形成では、成長板軟骨から関節の間で、軟骨への血液供給が遮断されることで、虚血性の壊死を起こすことが大きく関わっていることがわかっています…

大腿骨滑車のOCD検出におけるX線と超音波検査の診断感度と評価者間の一致(Beccatiら2013)

大腿骨滑車稜のOCD 膝関節でOCDの発生が最も多い部位は内側または外側の滑車稜です。X線検査でみえる病変の大きさや範囲、骨片の数などは様々です。関節炎の原因となることがあるほか、跛行を呈すこともあり、なかにはパフォーマンスに影響する場合もありま…

通常成馬の足根関節軟骨の超音波検査による評価(Tomlinsonら2000)

調査で分かったこと 飛節の超音波検査では、特に下腿足根関節において、関節軟骨を評価することができます。 超音波検査を用いることで、距骨の内側または外側滑車および脛骨中間稜において、関節表面の軟骨を観察することができます。高エコーな骨の輪郭に…

足根関節OCD検出におけるX線超音波検査の比較前向き研究(Relaveら2009)

調査で分かったこと 脛骨内果の病変検出は難しく、関節面を完全に評価することが難しいことが原因と思われます。骨の形状から、まったく骨を重ならないように撮影することが難しく、また限局した病変はわずかな関節表面の変化のみで、X線検査では検出できな…

脛骨中間稜内側面のOCD病変(Kadicら2020)

調査で分かったこと 脛骨中間稜の病変は飛節のOCDでは最も多いとされます。これは骨片が比較的大きく、内外像または背外底内45度斜位像でほとんどが診断できます。 しかし、2020年に掲載されたこの文献では、脛骨中間稜内側面にのみ発生するOCD病変について…

サラブレッド1歳馬のレポジトリ検査でみられる明らかな病変の分布と所見率(Oliverら2008)

ニュージーランドのサラブレッド1歳における飛節と膝関節の骨軟骨病変所見率の調査。

若齢サラブレッドの膝関節と飛節のOCD治療(Clarkeら2015)

膝関節OCD(大腿骨滑車)と飛節OCD(脛骨中間稜)は、購買前検査(レポジトリー検査)でよく見つかる病変部位です。 近年ではセリよりも前に検査を行うプレレポジトリーや、スクリーニング検査が増加してきており、OCDの診断が早まってきています。 これらの…

脛骨中間稜のOCDがある馬の軟骨由来バイオマーカーと炎症メディエータ(de Grauwら2006)

調査で分かったこと 主な軟骨基質であるⅡ型コラーゲンの代謝変化は、プロペプチドおよび断端をイムノアッセイで評価したところ、OCDの有無で有意な差はなかった。 リン脂質が代謝されてできるエイコサノイドは、LTB4およびPGE2濃度がOCDの有無と関係し、臨床…

脛骨中間稜OCDに対する関節鏡手術とバイオマーカーの変化(Brinkら2015)

調査で分かったこと このチームの調査では、過去に関節腫脹のあるOCD症例馬において、病理組織学的に滑膜炎を示す滑膜細胞増殖および炎症細胞浸潤があること、およびそのスコアリングが評価に有用であることが示されています。 equine-reports.work (adsbygo…