育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

MRIで診断した温血種馬のP1矢状溝部の損傷(Goldら2017)

P1矢状溝部の損傷は、X線検査で検出することが難しく、MRIで特徴的な所見があることがわかっています。 equine-reports.work equine-reports.work P1矢状溝部の損傷とその予後について、温血種の乗馬について追跡調査した結果。 ほとんどの馬で保存療法が選…

橈骨近位内側の軟骨下骨透過領域に対するスクリューによる治療8例(Roquetら2017)

はじめに 軟骨下骨嚢胞は大腿骨内側顆に比較的よくみられ、レポジトリ検査では膝関節において多く見られる所見です。 軽種馬におけるレポジトリーのためのX線検査ガイド (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 軟骨下骨嚢胞は橈骨近位にも発生…

馬の軟骨下骨損傷診断にMRIを用いた11症例(Zubrodら2004)

関節を原因とする跛行と特定できているのにX線検査では診断できない(明確な所見が得られない)ときにはMRI検査が有効です。 特に軟骨下骨の損傷はMRIでみられる特定のパターンがあり、X線検査ではこれを検出することが難しいことがわかっています。 単純X線…

P1矢状溝の軟骨下骨損傷の臨床所見と画像検査所見(Dysonら2011)

P1矢状溝部に発生する骨損傷は、単純X線検査では見過ごしてしまうようなわずかな所見しか得られない。MRI検査では微細な骨折や骨損傷として描出され、これは長期的な追跡調査でも変化なく残ってしまう。臨床的な重要度(炎症がアクティブかどうか)はシンチ…

競走用でない馬のP1不完全骨折をX線とCTで評価した(Brünisholzら2015)

P1不完全骨折と診断した競走用でない馬におけるX線とCT検査を用いた骨折線の評価を行った報告です。 調査対象となったのは、ほとんどは温血種で、サラブレッドよりも少し大きいサイズ(平均576kg)、年齢は平均9.5歳でした。 CT検査では骨折形状をより詳細に…

大腿骨内側顆の軟骨病変の跛行の原因としての評価11例(Schneiderら1997年)

調査で分かったこと 大腿骨内側顆は軟骨下骨嚢胞の好発部位ですが、軟骨のみの病変でも跛行の原因となることが明らかとなっています。 X線検査で異常が認められなかったものの、関節内麻酔で跛行が消失した症例に対して関節鏡手術を行いました。その結果、軟…

立位での手根管腱鞘の診断的腱鞘鏡(Miagkoffら2020)

はじめに 手根管症候群の原因はさまざまで、深屈腱または浅屈腱や支持靱帯、もしくはそのほかの軟部組織損傷が原因となる可能性があります。 equine-reports.work equine-reports.work 調査で分かったこと 腱鞘内の構造は、X線検査や超音波検査だけでは診断…

MRIと組織検査でOCD好発部位とされる子馬の大腿骨滑車を超音波検査で評価することの妥当性(Martelら2017)

大腿骨滑車稜のOCD 膝関節でOCDの発生が最も多い部位は内側または外側の滑車稜です。X線検査でみえる病変の大きさや範囲、骨片の数などは様々です。関節炎の原因となることがあるほか、跛行を呈すこともあり、なかにはパフォーマンスに影響する場合もありま…

大腿膝蓋関節OCD診断におけるX線と超音波検査の比較

大腿骨滑車稜のOCD 膝関節でOCDの発生が最も多い部位は内側または外側の滑車稜です。X線検査でみえる病変の大きさや範囲、骨片の数などは様々です。関節炎の原因となることがあるほか、跛行を呈すこともあり、なかにはパフォーマンスに影響する場合もありま…