育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

糞便移植

下痢の成馬に対する糞便移植の臨床的、細菌学的な反応の評価(Mckinneyら2021)

馬の腸炎は非常に重要で致命的な疾患の一つであり、致死率は25−35%と報告されています。健康な馬と腸炎症例馬の腸内細菌叢を比較すると、健康な馬の方がα多様性が大きいことがわかっています。α多様性が大きいと言うことは菌の種類が多く、偏りが少ないこと…

移植のための処理後の糞便中細菌の生存性と構成の評価(Loublierら2023)

糞便移植は、ヒトのX大腸炎(Clostridioides difficile腸炎)などの重篤な腸炎や腸内細菌叢の著しく変化した症例に対しての効果が報告され、馬に対しても試験的な投与が行われてきました。反芻獣である牛においてはルーメンジュースの移植はより一般的な治療…