解剖体の内側種子骨を実験的に横断骨切りして、それを実験的にワイヤーとラグスクリューで整復しました。これを装置にセットして壊れるまで負荷をかける実験を行って、物理的に評価しました。
実験的には、ワイヤーによる整復のほうがラグスクリューによる整復よりも強い負荷に耐えることはできましたが、ほとんどで骨片の間が開いてしまいました。
An in Vitro Biomechanical Comparison of Two Fixation Methods for Transverse Osteotomies of the Medial Proximal Forelimb Sesamoid Bones in Horses
D A Wilson , K G Keegan, W L Carson
Vet Surg. 1999 Vol.28(5):355-67.
目的
本研究では、正常な繫靱帯支持装置および成馬の体中央部骨折整復に用いられる貫通ワイヤーとラグスクリューによる2つの固定方法の力学的性質を比較すること。研究デザイン
生体外の、ペア研究で、解剖体の肢を負荷装置に設置し、整復方法による力学的性質を検証した。動物と検体
17(13は整復、4は正常)対の第3中手骨から第1および第2指骨からなる解剖体を用いた。方法
正常の肢と整復した肢に対して、単回で破綻するまでの負荷をかけて評価した。降伏点は50N以上の負荷で初めに不連続になった時点とし、見た目に破綻した時点はビデオテープまたは球節の角度が変わったことでで評価した。完全な破綻は検体が耐えられた最も大きな負荷とした。対応する合力、体重1kg当たりの繫靱帯支持装置にかかる力、球節の動き、球節の背側屈曲方向の角度を算出した。結果
繫靱帯支持装置への負荷、体重1kg当たりの繫靱帯支持装置にかかる負荷、モーメント、運用負荷および球節の背側屈曲角度は、降伏点において貫通ワイヤーのほうがラグスクリューよりも有意に大きかった。貫通ワイヤーではほとんどで降伏点までに3-5mmのギャップが生じていた。結論
種子骨内側の横断骨切りを整復した検体を、単回の破綻するまでの繰り返し負荷による機械的検証を行ったところ、降伏点までは貫通ワイヤーによる整復のほうがラグスクリューよりも大きな強度を得ることができた。