喉頭蓋エントラップメントは、競走馬においてまれにみられる症状です。
下記リンク先のページ下部にある写真のような所見があったら喉頭蓋エントラップメントです。
1歳セリのレポジトリー検査等でもまれにみられることがあります。
ではこれらの所見はどれくらいの頻度で認められるのでしょうか。
選抜していない馬における所見率は、様々な品種の馬およびサラブレッド競走馬について調査が行われ、結果が報告されています。
サラブレッド以外も含む文献
”要約
479頭の馬に対して、内視鏡を用いて上気道の検査を行い、41頭(8.6%)で異常所見を認めた。リンパ濾胞過形成は141頭(29.5%)でみられた。統計学的な相関が、馬の年齢とリンパ濾胞過形成のあいだにみられた。喉頭片麻痺は16頭(3.3%)、喉頭蓋エントラップメントは10頭(2.1%)、軟口蓋背側変位は6頭(1.3%)で所見が見られた。これらの異常所見と年齢には統計学的な相関は認められなかった。また、運動誘発性肺出血と、リンパ濾胞過形成および喉頭片麻痺にも正の相関は認められなかった。”
サラブレッド競走馬に限定した文献
”要約
サラブレッド競走馬について、上気道の異常所見率を調査した。所見率は、リンパ濾胞過形成34.2%、左喉頭片麻痺1.8%、喉頭蓋エントラップメント0.74%であった。リンパ濾胞過形成および気管内分泌物を除くと、上気道の異常所見率は3.7%であった。”
以上をまとめると、症状の有無によって選別しない(ランダムな)馬群において、馬の喉頭蓋エントラップメントの有所見率は2.1%、サラブレッド競走馬に限定すると0.74%というデータでした。