前の記事では、ランダムな馬群に行った内視鏡検査における喉頭蓋エントラップメントの有所見率について調べました。
では、異常呼吸やプアパフォーマンスを主訴に検査を行い、喉頭蓋エントラップメントが見つかった症例はどれくらいの割合になるのでしょうか。
続けて2つの文献を紹介します。
文献のハイライト
この文献では、喉頭蓋エントラップメントの所見率は1/46(2.1%)でした。
また、喉頭蓋エントラップメントとは関係ないですが、安静時に軽度の披裂軟骨非対称を示していても、最大外転機能を障害されていることは少ないことも明らかにされています。
”要約
プアパフォーマンスの病歴があり、高速トレッドミル運動中に咽喉頭部の内視鏡検査を行った46頭の競走馬について評価した。この検査は、持続的または一時的な上気道閉塞によるプアパフォーマンスの確定診断になるだけでなく、閉塞における解剖学的な動的機能まで記録できる。
検査を行った10頭(22%)で異常を診断できた。喉頭蓋エントラップメント1頭、持続的な軟口蓋背側変位DDSP4頭、左喉頭片麻痺5頭であった。32頭で左喉頭片麻痺の兆候(披裂軟骨の動きの非対称性)が安静時にみられたが、高強度の運動時に完全外転できないわけではなかった。”