“要約
目的
馬の前肢における深屈腱支持靭帯切断術の結果を臨床的・生体力学的に評価すること。この手技が慢性的な深屈腱支持靭帯炎の治療法として実現可能か明らかにすること。
動物
6頭のスタンダードブレッド成馬
方法
靭帯切断術の前と後6ヵ月の生体力学的な記録を比較した。常歩と速歩時の関節角度、地面への応力、最大関節可動、腱の張力を評価した。
結果
術後10日以内に全て速歩で異常なかった。腫脹、負重終期の腕節屈曲の増加、運動開始時の偶然の躓きが観察された。負重終期の腕節屈曲角度は有意に増加した。遠位指節間関節の最大可動、深屈腱および深屈腱支持靭帯にかかる力は減少した。球節の関節角度、球節の関節最大可動、繋靭帯および浅屈腱の最大負荷は変わらなかった。
結論
靭帯切断術から6か月後、深屈腱支持靭帯にかかる負荷は軽減された。馬にとって危険な関節角度や腱や関節への負荷をおこすことはなかった。
臨床的関連性
切断術から6か月後も動きに変化が残っていたことから、もし保存療法がうまくいかなかった場合、慢性の靭帯炎では切断術も受け入れられる