育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

馬におけるCOX-2選択的NSAIDsの使用に関する最新情報⑧(Zieglerら 2017年)

COX-2選択的薬剤は、ヒトや小動物領域ですでに広く使用されていて、馬用の製剤も多く発売されてきました。

抗炎症薬がCOX-2選択的であることのメリット、COX非選択的薬剤との比較、その使用に関する決まりについて2017年にまとめられたものがありますので紹介します。

全文はPubmedにて読むことができますので、リンクからご確認ください。

 

結論

・馬には馬用に製造された薬剤を使用する。

・体重当たりの適正な投与量を守る。

・他のNSAIDsとの併用は絶対に避ける。

・病歴、現在の疾患、投与期間などを考慮し投与すべき患者を適切に選択する。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

“結論

米国の市場で馬用に認可されたフィロコキシブの製剤が導入されたことで、馬獣医が治療にCOX-2選択的NSAIDsを使用する機会が与えられた。しかし、馬臨床医が知っておくべきことは、値段によらず、FDAは馬で認可された製剤のフィロコキシブのみに使用を限定していることである。臨床医は、フィロコキシブを投与することの細かな違いを理解することで恩恵を受ける。それはCOX選択性をもちながら治療効果のある濃度にするためには正しい投与量が重要であること、他のNSAIDsとの併用は禁忌であることである。COX-2選択的であることの潜在的な利点を理解していれば、患者を正しく選んで治療し、この新しいクラスのNSAIDsから恩恵を受けることができる。”