育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

アイスランドホースの遠位足根関節変形性関節症の臨床的サーベイ(Björnsdóttir 2000年)

アイスランドホースの飛節変形性関節症はよく見られることが知られ、保険診断などの懸念にもなっているため、大規模な頭数の臨床的な調査が行われた。

 

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

“要約

 騎乗しているアイスランドホースの集団において、遠位足根関節の変形性関節症の所見率および、X線所見と臨床症状の関連を推定した。対象は614頭で6-12歳齢、平均7.9歳であった。各飛節の3方向X線検査、遠位足根関節内側面の触診、飛節屈曲試験前後の後肢の動きの評価を行った。X線検査で、遠位足根関節変形性関節症所見は30.3%の馬に認められ、所見率は年齢との強い相関があった。飛節屈曲試験前後の跛行および触診での異常所見は、X線検査所見と有意な相関があった。跛行はたいてい軽度で、屈曲試験後にしかわからなかった。跛行の所見率は、年齢との相関は有意ではなかった。X線検査所見から跛行を予期することはできない。”