足根関節の骨関節炎所見は、跛行のない馬でも様々な程度で見られます。
一方で飛節内腫Spavinは跛行の原因として知られ、X線検査所見だけで診断されることが多いです。それらの違いはまだ詳しくわかっていません。
“要約
研究を実施した理由
正常な馬でもX線検査で飛節の小さな関節に骨関節炎所見が認められることがあるにもかかわらず、飛節内腫Bone Spavinが跛行の原因であると診断されるときは、X線検査のみに基づいていることが多い。
目的
飛節に骨関節炎所見を有する馬において、X線検査所見の重症度と治療に対する反応が、跛行の期間や程度および関節内麻酔に対する反応と相関するか明らかにすること。
方法
飛節の関節内麻酔に反応した馬について回顧的調査を行った。履歴、症状、診断所見を記録した。X線画像を評価し、2人の異なる人間がスコアをつけた。追跡調査は、馬主への電話聞き取りを行った。跛行の期間や程度、関節内麻酔への反応およびX線画像所見について関連を調べるため、統計学的解析を行った。治療に対する反応は、臨床診断の所見と比較した。
結果
91頭を組み入れ、61頭は片側、30頭は両側の跛行を示していた。59%の馬が2ヵ月以上の跛行を呈していた。跛行の期間と程度の間、跛行の期間および程度および関節内麻酔への反応とX線画像所見の間に関連はなかった。治療への反応は、足根中足関節のX線所見が重度でないことと正の相関があった。48%で追跡調査が可能で、うち42%はもとの運動レベルに復帰した。
結論
飛節の骨関節炎を有する馬において、跛行の期間および程度、関節内麻酔への反応およびX線所見の間に関連はなかった。しかし、治療後に改善が見られた症例では、足根中足関節の病態がそれほどひどくない傾向があった。
潜在的関連性
関節内麻酔への反応は、骨関節炎診断のゴールドスタンダードな方法である。治療後に改善する可能性があるか予期することはやはり難しい。”