育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

遠位足根関節の骨関節炎に対する関節内投与治療の効果(Labensら 2007年)

遠位足根関節の骨関節炎に対するステロイドの投与とヒアルロン酸注入を併用した関節内治療の効果についての回顧的調査。

1回のステロイド関節内投与で、およそ2か月で歩様は改善したのだが、長期的な聞き取り調査では61.7%で満足いく結果ではなかった。骨関節炎は関節内のステロイド投与で一時的に抑えられるものの、それが長期的にうまくいくわけではなさそう。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

“要約

 遠位足根関節、つまり中心遠位関節および足根中足関節の骨関節炎は、一般的にみられる後肢跛行の原因である。本論文では、51頭の馬に対して、メチルプレドニゾロンまたはトリアムシノロンをヒアルロン酸と併用して関節内投与した治療成績を記述する。治療成績は、馬の跛行グレードの変化に基づいて評価した。追跡調査の情報は、電話による聞き取りで行った。メチルプレドニゾロンとトリアムシノロンとヒアルロン酸を併用した治療1回で、中央値56日で改善がみられ(P<0.0001)、メチルプレドニゾロンとトリアムシノロンの間に有意差は認められなかった。2回治療した馬でさらなる改善は認めなかった。シンチグラフィ検査で遠位足根関節に、びまん性の放射性医薬品の取り込み増加がみられた馬では跛行に有意な改善がみられた(P=0.032)が、局所的な増加所見が見られた症例では有意な改善はなかった。電話による追跡調査では、13/34で良好な成績が得られたが、21頭は成績がよくなかった。”