“要約
目的
2-3.5歳のスタンダードブレッドトロッターにおける、弁逆流症の発生頻度および進行と、その競走パフォーマンスに与える影響を評価すること
デザイン
長期的観察研究
動物
103頭の馬
方法
6ヵ月間隔で4回の心エコー検査を行った。BモードおよびMモード心エコーを行い、カラードップラーを用いて、それぞれの弁の逆流血流を評価した。
結果
全ての弁において、逆流症の所見率は18か月の調査期間中に増加した。検出された逆流症はどれも軽度で、重症度の増悪は認められなかった。三尖弁逆流症は定期的に出走している馬で多くみられ、オスに多く、左心室重量および拡張期左心室内径が大きい馬で多く診断された。競走パフォーマンスと弁逆流症のあいだに相関は認められなかった。
結論と臨床的関連性
調査期間中に弁逆流症の所見率は増加し、3.5歳齢ではよくみられる所見であった。成熟によるものか調教によるものかは断定できない。本調査によれば、これくらいの年齢では軽度な弁逆流症の高い所見率があったが、競走パフォーマンスへの影響はないようだった。逆流がここから悪化するのか、将来的にパフォーマンスに影響するのかはわからない。”