育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

橈骨遠位骨軟骨腫の外側アプローチによる腱鞘鏡下切除(Southwoodら JAVMA1997年)

橈骨掌側(尾側)の骨軟骨腫とは

橈骨掌側に形成される骨軟骨腫は、成長板付近の骨軟骨を原因とする外骨症や良性腫瘍と呼ばれることもありますが、明確な定義はありません。

骨軟骨腫の形状は様々で、トゲ状のものからドーム状のものまでさまざまです。これが前腕尾側を走行する屈筋腱に当たって擦れることが障害の原因となります。

腱鞘内で擦れて炎症が起きた場合は出血と腱鞘液の増加を呈し、手根管症候群の原因となります。腱鞘の腫脹、様々な程度の跛行、患肢の屈曲痛を呈すことがあります。

 

文献でわかったこと 

橈骨外側面からの腱鞘鏡によるアプローチは腱鞘内の構造をよりよく評価できることが最大の利点である。

他にも、手術時間の短縮、リハビリ期間の短縮、見た目の良さと感染リスク低減、内側の 脈管神経系を傷つけないなどの利点があり、推奨される。

 

参考文献 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

要約

 3頭の馬で橈骨遠位の外側面からのアプローチで内視鏡下で骨軟骨腫を除去した。 以前は手根管腱鞘を切開して骨軟骨腫を除去していたが、内視鏡は侵襲が低く、手術時間やリハビリ期間が短くなり、見た目の結果も良く感染リスクも低く、腱鞘内の構造をよりよく評価できる。内側面からの内視鏡アプローチも以前報告されているが、外側アプローチのほうが内側の脈管神経系を避けられること、外側アプローチの方が腱鞘を膨満させることが簡単であることから利点がある。したがって、このアプローチは、馬の橈骨遠位に形成される骨軟骨腫の除去方法の代替となる。