飛節のうち、近位足根間関節に見つかる骨片の臨床的意義は依然として不明ですが、関節鏡手術によって除去できることが報告されています。
この骨軟骨片があることが関節炎の原因となるかは不明ですので、必ず骨片を摘出する必要があるとはいえませんが、最小限の合併症で摘出が可能であることが示されました。
目的
近位足根間関節の背側における骨軟骨片のX線および手術所見を記述すること。関節鏡による骨片除去の詳細な方法と成績を報告すること。
研究デザイン
回顧的症例集
動物
29頭、32関節
方法
X線検査で近位足根間関節の骨軟骨片が明らかであった馬の医療記録を回顧した。臨床的な特徴、骨片の数、部位、関節鏡所見および成績を記録した。関節鏡視下で視野が改善する特定の技術的な改善を記録した。
結果
27頭(93%)において、下腿足根関節内に離断性骨軟骨症(OCD)のX線所見がみられた。骨軟骨片は、距骨内側滑車の遠位に最も多くみられた。全ての症例で、近位足根間関節の切開により骨軟骨片を暴露して摘出できた。32関節のうち4関節で、下腿足根間関節から骨片を視認できた。距骨外側滑車遠位の骨片をとるため、3つ目のポートを空けたのは3関節であった。1頭で術後の腫脹を認めたが、保存的内科治療で解消した。長期成績は16頭/29頭で調査でき、全ての馬が調教を開始するか運動復帰できた。
結論
近位足根間関節の骨軟骨片を摘出するために、近位足根間関節を切開する関節鏡手術は効果的で、合併症はほとんどなかった。この関節内の骨片の臨床的関連性は不明なままである。