腕節掌側の骨折は、前腕手根関節に最も発生していた。橈側手根骨近位関節面に最も多く、次に副手根骨に発生していた。関節鏡視下で除去することが可能で、多くの症例が術後に跛行が見られず意図した運動に復帰することができた。
目的
腕節掌側の分離した骨軟骨片の特徴を明らかにし、骨関節炎および外科的な骨片摘出が機能的な成績に与える影響を記録すること。
デザイン
回顧的症例研究
動物
25頭
方法
医療記録とX線画像を回顧し、X線検査で腕節掌側の骨片が明らかで、関節鏡視下除去手術を行った症例を同定した。骨折の原因、初期および長期的な臨床所見およびX線所見および機能的な成績について情報を得た。
結果
25頭の単一関節から、30の手根骨に掌側骨片が認められた。25頭中17頭(68%)では、骨片の原因となる外傷イベントがあった。25頭のうち、17頭(68%)は前腕手根関節、7頭(28%)は手根中央関節、1頭(4%)は手根中手関節に掌側骨片を認めた。最も多くみられたのは橈側手根骨の近位面(12/30)で、次いで副手根骨(6/30)であった。25頭のうち、19頭(76%)は術後の跛行がなく、意図した用途に復帰できた。4頭(16%)は放牧は問題なくでき、2頭は安楽死となった(術後の重度な骨関節炎および覚醒時の長骨骨折が原因)。術前に骨関節炎の所見があった14頭中8頭は、術後に運動復帰できた。前腕手根関節の骨片を認めた17頭中12頭、手根中央関節の骨片を認めた7頭中6頭はもとの用途に復帰できた。
結論と臨床的関連性
腕節掌側の骨軟骨片を関節鏡視下で除去した馬の予後は良好であることが示唆された。骨関節炎が進行する前に早期に介入することが推奨される。