育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

手根骨間靱帯損傷の重症度と所見率(KannegieterらAVJ1993)

手根骨間靱帯の損傷は、関節鏡視下で確認できるようになりました。

この疾患は、超音波検査やX線検査では診断することが難しいです。靱帯付着部の裂離骨折ではX線検査で骨片が写ることがあります。

関節鏡手術では41%の関節において、軽度から重度の手根骨間靱帯の損傷が認められました。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

76頭の104の手根間関節の関節鏡所見を回顧的に調査し、内側手根骨間靱帯の変化の重症度と所見率を明らかにした。35頭の43関節で手根骨間靱帯の損傷がみられ、損傷の内容は、靱帯断端がほつれている程度の軽度から、線維が完全に断裂している重度までであった。関節の41%の所見率であった。9関節で関節鏡手術時に初めてみつかり、全ての症例で靱帯損傷が確認できた。骨片もしくは盤状骨折の治療のために関節鏡手術を行った馬では、関節軟骨の損傷の重症度と靱帯損傷の有無に相関がみられた馬もいた。