P1矢状溝部の損傷は、X線検査で検出することが難しく、MRIで特徴的な所見があることがわかっています。
P1矢状溝部の損傷とその予後について、温血種の乗馬について追跡調査した結果。
ほとんどの馬で保存療法が選択されたが、跛行が持続してしまう馬が多かった。MRI所見は変わらず、追跡調査期間で矢状溝部の損傷像は消えなかった。
特に骨関節炎所見が併発していた症例は予後が悪く、跛行が消えず、元の運動に復帰できなかった。
参考文献
要約
P1矢状溝部の損傷は、競技馬の跛行の重要な原因の一つである。この回顧的症例研究の目的は、温血種馬におけるMRI所見の特徴を記述すること。P1の矢状溝部の損傷をMRIで診断し、MRIによるフォローアップと臨床的な成績が明らかな症例を組み入れた。すべてのMRI画像は回収し、経験があり認定を受けた獣医師が読影した。19頭が組み入れ基準に合致した。P1矢状溝部には片側または両側でMRIにおける損傷がみられた。また、第三中手または中足骨の矢状稜に異常な石灰沈着が見られた。15頭(79%)の馬は、病変のある球節に骨関節炎の所見がみられた。18頭は保存療法が選択され、フォローアップのMRIではすべての馬で骨の異常が残っていた。13頭(68.5%)はフォローアップ期間終了までに跛行が持続してしたが、残りの6頭(31.5%)は歩様がよく、元の運動レベルに復帰した。本調査の所見から、成熟した温血種の馬において、P1矢状溝の急性または慢性損傷は低磁場MRIにおいてさまざまな特徴があることが示唆された。19症例から得られた所見から、P1矢状溝部の損傷と同時に骨関節炎と診断された馬が競技パフォーマンスできる予後は不良であることが示唆された。
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