プアパフォーマンス
馬におけるプアパフォーマンスの原因は様々です。まず思いつく原因として、整形外科的な疾患では関節炎や腱鞘炎、疲労骨折など疼痛や機械的な障害を伴うものがあります。ですが、他にも様々な呼吸器、循環器、消化器および筋肉の疾患があります。
まずは慎重な症状の聞き取りと身体検査が重要となります。ここで示す症状が呼吸器症状か、循環器症状か、歩様異常か、消化器症状かを大別します。そこからさらに詳しく分類し、それぞれ診断するための検査に進みます。
循環器疾患の場合
3度房室ブロックは、心房の電気的興奮が洞房結節から伝わらず、心室の拍動が連動しない病態です。心電図検査では心房の電気的興奮を表すP波と、心室の電気的興奮を表すQRSが無関係に出現します。聴取できる心拍数は極端に少なく、20bpmを切ることもあります。主な病歴としては、失神や運動失調、運動不耐性などがあります。
参考文献
症状
2度房室ブロックと異なり、3度房室ブロックは馬ではほとんどない。しかし、3度房室ブロックがあるとパフォーマンスに影響する。2度房室ブロックは運動中に消失し、運動不耐性の原因となることはない。3度房室ブロックは房室間が乖離するもっともよくみられる形で、洞房結節の電気信号が心室に伝導しない。3度房室ブロックで典型的な症状は、失神、運動失調、運動不耐性、虚脱の病歴がある。
診断
3度房室ブロックの症例では、不整な遅い心拍数が聴診される。安静時の心拍数は20bpm以下である。3度房室ブロックでは、心室のゆっくりした拍動に重なるような早いリズムの第4音が聞こえる。頸静脈の顕著な拍動がみられる。心電図検査により確定診断ができる。P波は頻度が上がるが、心室の拍動とは関連しない。
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