育成馬臨床医のメモ帳

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馬のプアパフォーマンス:整形外科以外の診断について(Ellisら2022) ⑪筋肉 遺伝性筋疾患

プアパフォーマンス

馬におけるプアパフォーマンスの原因は様々です。まず思いつく原因として、整形外科的な疾患では関節炎や腱鞘炎、疲労骨折など疼痛や機械的な障害を伴うものがあります。ですが、他にも様々な呼吸器、循環器、消化器および筋肉の疾患があります。

 

まずは慎重な症状の聞き取りと身体検査が重要となります。ここで示す症状が呼吸器症状か、循環器症状か、歩様異常か、消化器症状かを大別します。そこからさらに詳しく分類し、それぞれ診断するための検査に進みます。

 

 

 

骨格筋が原因の場合

馬における遺伝性筋肉疾患の多くは、クォーターホースでゲノム解析が進んでおり、遺伝子変異が明らかにされています。血液や毛髪もしくは筋肉のバイオプシーを用いて遺伝子変異を特定することが可能です。

サラブレット競走馬においては、回帰性の横紋筋融解症が報告されており、北米や英国における調査では、労作性横紋筋融解症は1シーズンに4.9-6.7%の割合でみられることが報告されています。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

 

 

参考文献