半月板
ボーンシストに対する搔爬術は跛行の程度を改善するために有効な治療法であることが示されてきました。しかし大きなボーンシストの病変では治療成績が思うように向上してきませんでした。 これまでの搔爬術では成績の改善に限界がありました。それは関節軟骨…
超音波検査は関節内の軟部組織を評価するのに優れています。軟骨、靭帯のほか、膝関節にしかない半月板も一部は評価することができます。特に大きな関節になればなるほど、超音波で評価できる領域が増えます。 一般的に関節荷重面は評価することが難しく、こ…
関節鏡による大腿骨内側顆のボーンシスト搔爬術はいくつかの成績が報告されています。AAEP2002年にSandler先生が発表した時には、関節鏡で搔爬するシストの大きさが小さいほど復帰率が高いことが報告されました*1。このことから関節面を温存することが大事か…
競走馬のせりではレポジトリ検査として喉頭内視鏡検査とX線検査の結果が公開されています。様々なX線所見が得られ、それが将来的な競走成績にどう影響するのかは関心の高い領域ですが、まだわかっていないことも多いのが現状です。 軽種馬におけるレポジトリ…
大腿骨内側顆の骨嚢胞は跛行とパフォーマンスの低下を引き起こす、若い競走馬に多く見られる疾患であり、育成初期に発症することが多く、育成牧場ではよく問題になります。 この疾患に対してはこれまで様々な治療方法が試みられており、報告されてきた成績を…
大腿骨内側顆の骨嚢胞(ボーンシスト)はどの時期に形成されるのでしょうか。1歳せりではよく見かける所見ですが、当歳の時期からすでに所見があるのでしょうか。日本の日高地方ではせりに向けて1歳の7月から9月に検査が行われるため、3月から4月に生まれた…
成馬における脛骨の軟骨下骨病変は、慢性的な骨関節炎に併発してみられることがあります。そして、しばしば大腿骨の軟骨下骨病変を伴います。 半年以上の慢性後肢跛行を呈した、大腿脛骨関節の慢性関節炎の症例4頭の治療成績が報告されています。これらの症…
脛骨近位の軟骨下骨嚢胞所見は、若い馬では骨軟骨症に関連すると考えられる病変もある一方で、運動している成馬では大腿脛骨関節の骨関節炎および大腿骨の骨軟骨病変と併発してみられることがあります。 若馬の骨軟骨炎(OA)に関連すると考えられる軟骨下骨病…
膝蓋骨に付着する靱帯は内側、中間、外側の膝蓋靱帯がある。なかでも中間膝蓋靱帯は膝蓋骨遠位から脛骨近位背側の脛骨粗面に終止する。 この靱帯の損傷はこれまでにあまり報告がないが、一般的には運動復帰の予後が悪いとされていた。今回は超音波検査で中間…
調査でわかったこと 大腿下腿関節を原因とする跛行のうち、半月板のシストはまれな疾患です。 診断は、関節内麻酔により膝関節による跛行と確定してから、関節鏡によって評価することにより可能になりますが、膝関節のOCD治療時に偶発的に発見された症例も報…
膝関節を原因とする跛行は、育成期には骨シスト状病変によるものが多いですが、高齢馬では関節内の軟部組織(靭帯、半月板、関節包、軟骨など)を損傷していることが多いです。 文献でわかったこと 膝関節を原因とする跛行の症例において、半月板の損傷は多…