育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

シンチグラフィ検査による肋骨骨折の診断(Dahlbergら 2011年)

肋骨骨折は馬の跛行の原因のひとつになります。 特に頭側の肋骨骨折は前肢跛行の原因となりますが、肩から上腕の分厚い筋肉に包まれており、X線検査による診断は困難です。 このような疾患にはシンチグラフィ検査が有効となります。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov…

種子骨軸側の骨髄炎(Winsterら EVJ1991年)

種子骨軸側辺縁の骨髄炎は、X線検査でこの部分の透過性亢進やシスト状所見として認識されます。 感染性関節炎や腱鞘炎に関連する病態もあれば、種子骨間靱帯による繰り返し負荷による慢性の病態もありそうです。 跛行のグレードは非常に悪く、治療も難しいよ…

X線検査で診断のつかない球節のMRI所見(Kingら 2013年)

以前、診断麻酔についてまとめた報告をしたことがあります。球節部に疼痛があると判断した馬のなかで、X線や超音波検査で診断がつかなかった症例は、〇%でした。この場合、どこに原因があるかよくわからず、症状が緩和するまで一定期間休養するしかありませ…

歯根膿瘍と顎骨骨髄炎の治療

馬の歯科疾患で最も多い歯根膿瘍と、外傷性骨折などから発生しやすい顎骨骨髄炎

馬の偽性血小板減少症の1例(Hinchcliffら JAVMA1993年)

馬におけるEDTA処理した血液による偽性血小板減少症

アザチオプリンを用いた馬免疫介在性血小板減少症の治療(Humberら JAVMA1991年)

馬の免疫介在性血小板減少症に対するアザチオプリン投与による治療。

フローサイトメトリーを用いた血小板に結合した抗体の検出(Kimberleyら JAVMA2004年)

免疫介在性血小板減少症の診断に、フローサイトメトリーによるIgG抗体結合血小板の検出を用いた報告。

馬の血小板減少症:1989-1994年の35例(Sellonら JVIM1996年)

はじめに 血小板とは 血小板減少症 免疫介在性血小板減少症 文献でわかったこと 血小板減少症の症例 血小板減少症と関連のある疾患 予後 参考文献 はじめに 血小板とは 血小板は体内で1日当たり35,000/µL産生され、4-5日で破壊・回収されます。 血小板は、止…