育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

診断麻酔

跛行のある馬とない馬におけるトウ状骨遠位の骨片と形状のX線による評価(Biggiら2012)

トウ状骨はトウ嚢とよばれる袋の中に存在し、蹄骨と深屈腱の間に位置しています。アクシデントによる外力や外傷によって骨折がおきることが知られています。 トウ状骨骨折が起きると、中程度から重度の跛行を呈しますが、身体検査では特異的な所見が得られる…

蹄部に痛みのある馬のトウ状骨遠位境界部の骨片に対するMRI所見(Biggiら2011)

トウ状骨はトウ嚢とよばれる袋の中に存在し、蹄骨と深屈腱の間に位置しています。アクシデントによる外力や外傷によって骨折がおきることが知られています。 トウ状骨骨折が起きると、中程度から重度の跛行を呈しますが、身体検査では特異的な所見が得られる…

肘関節の内側側副靱帯損傷と骨付着部炎(Dabareinerら2013)

肘関節は蝶番関節となっており、横方向の安定性は非常に高いです。それには関節の構造だけでなく、両側の側副靱帯が大きな役割を果たしています。 馬の肘関節側副靱帯損傷はまれな疾患ですが、重度の跛行を示し、負重困難となることもあります。 競技馬の4頭…

中手掌側の神経ブロックがエコー所見に与える影響(Zekasら VRU2003年)

神経ブロック直後に画像診断を行うべきか、影響はあるか。

前肢の滑液嚢間のメピバカインの拡散(Goughら EVJ2002年)

局所麻酔薬の滑液嚢間の移動

外側掌側神経ブロックの新たな方法に関する研究(Castro 2005年)

副手根骨レベルでの外側掌側神経ブロックの手技

中手近位部神経ブロック4手技の比較(Nagyら EVJ2012年)

中手近位掌側部の神経ブロック手技の比較

馬の中手近位部麻酔手技の比較(Fordら VetSurg1989年)

中手近位掌側部の診断麻酔

掌側指神経ブロックにおけるメピバカインの作用時間(Bidwellら EVJ2004年)

実験的な跛行モデルに対して、メピバカインを用いた神経ブロックにより跛行が改善する時間を検証した。

Low 4 point block 後の薬剤の分布(Nagyら EVJ2010年)

Low 4 point block後の薬剤拡散を染色液とX線造影剤を用いて検証した。

掌側神経ブロックにおける麻酔薬の拡散(Seabaughら JAVMA2011年)

Low 4 point blockにおける局所麻酔薬の拡散を実験的に検証した。

生体と生体外における掌側神経周囲への薬剤投与後の拡散(Nagyら EVJ2009年)

掌側神経周囲に投与した薬剤の拡散する様子を実験的に検証した。

指屈腱鞘内投与後の局所麻酔薬の拡散(Jordanaら EVJ2016年)

指屈腱鞘内に投与したメピバカインの周囲組織移行は、診断麻酔の結果を判断する上で重要な懸念となります。 実際に生体を用いて他の組織にどれだけ移行したか調査した文献があります。 はじめに 指(趾)屈腱鞘 digital sheath とは 文献で明らかになったこと …

局所麻酔のリポソーマル製剤を用いた神経ブロック(McCrackenら AJVR2020年)

診断麻酔で用いる神経ブロックは、投与した局所麻酔薬が周囲組織への拡散・分布を起こすことが数々の文献で確認されています。 また、神経ブロックに用いる局所麻酔薬には、その作用が現れるまでの時間と作用が持続する時間が明らかになっています。 最近で…

前肢跛行モデルでのブピバカンおよびリポソーマル製剤の効果の比較(Leら AJVR2020年)

ブピバカインのリポソーマル製剤とブピバカインの局所投与による効果を比較した文献があります。 この文献では、蹄に巻き付けるクランプを設置し、それをきつく締めることによって実験的に疼痛と跛行を再現しています。そして体に装着する跛行ロケーターによ…

局所麻酔薬の作用時間の比較

馬で用いられる局所麻酔薬は数種類あり、それぞれの作用時間が明らかにされています。 診断麻酔は、神経伝達路を遮断(ブロック)する手技です。これに用いる場合の局所麻酔薬は、ある程度すぐ効果が出て、早く効果が消失する特性を持ちます。 一方で皮膚縫…

手根管腱鞘内に局所麻酔薬を投与したときの肢遠位の感覚消失(Miagkoffら EVJ2021年)

手根管の腱鞘は、深屈腱および浅屈腱を腕節の掌内側で包む構造です。この部位に起因する病態は、屈腱またはその支持靭帯の損傷、橈骨尾側の骨軟骨腫、副手根骨の骨折などがあります。 手根管に沿って内側および外側の掌側神経が走行していること、また手根管…

神経ブロックまたは滑液嚢内麻酔後のMRI画像への影響(Blackら EVJ2013年)

神経ブロックや滑液嚢内麻酔は、皮下や滑液嚢に局所麻酔薬を投与する方法です。 これにより疼痛部位が判明したら、次に画像診断を行い、どこにどのような所見があるか診断します。しかし、投与する薬剤やガスが診断に影響を与える可能性は考慮されています。…