育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

種子骨骨折

蹄部に痛みのある馬のトウ状骨遠位境界部の骨片に対するMRI所見(Biggiら2011)

トウ状骨はトウ嚢とよばれる袋の中に存在し、蹄骨と深屈腱の間に位置しています。アクシデントによる外力や外傷によって骨折がおきることが知られています。 トウ状骨骨折が起きると、中程度から重度の跛行を呈しますが、身体検査では特異的な所見が得られる…

トウ状骨遠位境界部の骨片とシスト状病変に関連したX線とMRI所見の比較(Biggiら2010)

トウ嚢炎に関連するトウ状骨の骨片所見

トウ状骨骨折の17症例(1982-1992)(Lillichら1995)

トウ状骨はトウ嚢とよばれる袋の中に存在し、蹄骨と深屈腱の間に位置しています。アクシデントによる外力や外傷によって骨折がおきることが知られています。 トウ状骨骨折が起きると、中程度から重度の跛行を呈しますが、身体検査では特異的な所見が得られる…

2歳馬のトレーニングセール時にみられるX線異常所見率とパフォーマンスとの関連(Meagherら2013)

2歳トレーニングセールは、調教を積んで速く走れるようになった馬を、公開調教にて実際に走っている姿を見て購入できるセリです。 レポジトリ検査も公開されており、現時点では調教可能だが、その後に与える影響はどうか、が調査されています。 X線検査にお…

種子骨骨折と軟骨下骨の局所的な骨減少症との関連(Shafferら EVJ 2021)

種子骨骨折は、競走馬の致命的な骨折のなかで最も多く、特に両軸性(内と外を同時に)骨折すると、球節(第一指節関節)の脱臼につながる危険性があります。 最近発表された研究結果では、両軸性骨折した種子骨とその他の原因で安楽死となった馬の種子骨を比…

種子骨骨折とCT検査による種子骨の形態変化の定量(Cresswellら 2019年)

種子骨骨折発症馬のマイクロCTによる種子骨解析

種子骨骨折と球節部MRI所見(Pelosoら 2015年)

MRIによる種子骨と球節の所見の評価

両軸性種子骨骨折は骨疲労に関連するもの?(Kristoffersenら 2010年)

両軸性種子骨骨折発症馬における種子骨の微細な所見と骨折の関連

両軸性種子骨骨折の馬の特徴と競走歴(Kristoffersenら 2010年)

競走馬の致命的な骨折の原因となる両軸性種子骨骨折発症馬にみられる特徴

種子骨骨折と種子骨の構造変化(Anthenillら 2010年)

種子骨のマイクロX線、組織学、病理学的構造の評価。

種子骨骨折のリスク因子となる運動歴や装蹄の特徴(Anthenillら 2007年)

種子骨骨折のリスク因子は強い調教やレースを継続的に休みなく使うことである。

種子骨骨折とX線画像所見(Anthenillら 2006年)

種子骨骨折の見られた馬における種子骨の所見

種子骨尖部骨折 骨片の大きさと位置・形状が予後に関連するか(J. L. Kammら 2011年)

種子骨尖部骨折の予後は、骨片の大きさや幾何学的位置に依存するか

種子骨尖部骨折 2歳未満の場合(Schnabelら2007年)

競走馬によくみられる種子骨尖部骨折ですが、出走歴がない馬でも発症します。今回は、2歳未満のサラブレッドにおける種子骨尖部骨折と術後の競走成績についての論文を紹介します。 文献のハイライト レポジトリー検査などで発覚した、跛行のない症例が対象で…

種子骨尖部骨折 2歳以上の場合(Schnabelら 2006年)

競走馬ではほとんどが尖部の骨折で、種子骨骨折のうち88%を占めるとされています。今回はサラブレッド競走馬での骨片摘出術の治療成績に関する論文を紹介します。 文献のハイライト 調教または競走で発症した、急性の跛行を伴う種子骨尖部骨折 術前にX線検…

種子骨軸外部骨折 骨片摘出の治療成績(Southwoodら 1998年)

種子骨軸外部骨折の骨片摘出による治療成績

種子骨体部骨折 プレート固定(da Silveiraら 2014年)

解剖体を用いた種子骨体中央部骨折モデルに対して、従来のラグスクリュー法と2穴LCPプレートによる固定を比較しました。耐えられる負荷はプレートの方が大きかったことから、より良い治療オプションとなる可能性がありますが、近位側の骨片が粉砕してしまう…

種子骨体部骨折 同種骨スクリューによる整復実験(Sasakiら 2010年)

同種骨スクリューは生体適合性が高く、さらに骨基質がそのまま骨へと置き換えられる(島根大学医学部整形外科学教室の研究紹介で説明されています。)という点が、このインプラントを用いる最も大きな利点です。今回紹介する文献は、帯広畜産大学にて行われ…

種子骨体部骨折 2種のスクリューの比較実験(Eddyら 2004年)

ヒトや動物で広く使われているAOの皮質骨スクリューと、Acutrak®(アキュトラック)スクリューを用いて、種子骨体中央部骨折モデルを整復し、負荷試験を行って力学的特性を比較しました。正常肢との比較ではやはり劣ってしまうため、外固定による支持が必要…

種子骨体部骨折 ワイヤー固定に使う素材と手技を比較(Rothaugら 2002年)

骨片を貫通させたワイヤーまたはケーブルによる内固定を、解剖体を用いて実験的に検証した論文の紹介です。この論文で比較したのは用いた材質(ステンレス鋼ワイヤーvs超高分子量ポリエチレン)と、用いた手技(サークラージ法vs縫合法)でした。内視鏡下で…

種子骨体部骨折 ワイヤーとスクリューの比較実験2(Woodieら 2004年)

実験的に作った内側種子骨体中央部の横骨折に対してスクリュー固定とワイヤー固定を行い、それがどれだけの負荷に耐えられるのか機械的な負荷をかけて検証した研究です。どちらも耐えられる負荷に有意な差はなく、常歩時にかかる負荷には耐えられる強度が得…

種子骨体部骨折 ワイヤーとスクリューの比較実験1(Wilsonら 1999年)

解剖体の内側種子骨を実験的に横断骨切りして、それを実験的にワイヤーとラグスクリューで整復しました。これを装置にセットして壊れるまで負荷をかける実験を行って、物理的に評価しました。実験的には、ワイヤーによる整復のほうがラグスクリューによる整…

種子骨体部骨折 ワイヤーとスクリュー 臨床例(Busschersら 2008年)

種子骨体中央部骨折の整復方法として最もメジャーとなったラグスクリューによる内固定は、この論文ではっきりとワイヤー固定よりも優れていることが示されました。ただし、スクリュー固定による出走率も44%と高くはありません。また、個人的に数例で外固定…

種子骨体部骨折 ラグスクリューと海綿骨移植(Henningerら 1991年)

種子骨体部の骨折に対してラグスクリューで固定した25頭の症例研究です。要約だけでは治療成績まではわかりませんが、現在でも多くの論文、教科書で引用される文献です。体部骨折の競走復帰率は高い報告でも60%とされています。 Lag Screw and Cancellous B…

種子骨体部骨折 ワイヤー固定(Martinら 1991年)

種子骨骨折のうち、最も競走復帰の予後が悪いのが体中央部でほぼ真二つに分かれてしまうタイプの骨折です。競走に耐えうる強度を得るためには内固定が必要ですが、大きな負荷がかかるためにうまくいかないこともあります。種子骨体部骨折の内固定がどのよう…

種子骨底部骨折 超音波でアシストした関節鏡手術(Barrettら 2014)

種子骨底部骨折を、術中に超音波検査で確認しながら関節鏡下で摘出した

種子骨底部骨折 鍵穴アプローチによる骨片除去手術(Brokkenら 2008年)

種子骨底部骨折の関節外骨片の除去

種子骨底部骨折 関節鏡による除去(Southwoodら 2000年)

種子骨底部骨折の関節鏡による骨片除去

種子骨底部骨折の治療成績(Parenteら 1993年)

種子骨底部骨折の保存療法と外科摘出の治療成績

種子骨骨折について その6(Schnabelら 2018年)

種子骨骨折の診断と管理に関するレビューその6 Equine vet. Educ. (2018) 30 (8) 450-455