種子骨底部骨折を関節鏡視下で切除した26症例の治療成績をまとめた論文です。骨片の大きさと関節におよぶかどうかで成績を比較しました。要点は以下の2点です。
・競走馬は24/26で、50%が競走復帰した。
・骨片の大きさが小さく、関節におよばないほうが2走以上できた馬は多かったが、統計学的な有意差は認められなかった。
関節におよばないとしても、種子骨遠位の支持装置の大部分を失ってしまうためか競走復帰率は低いです。
目的
種子骨底部の骨折を関節鏡視下で除去した後の成績を明らかにし、骨片の大きさと成績の関連を明らかにすること。デザイン
回顧的研究動物
26頭の馬方法
背掌側および内外側X線画像から、背掌側方向および軸側軸外側方向に骨片の大きさを測定し、底部に対する骨片の割合(%)を算出した。骨折は骨片の大きさにより、G1:25%以下、G2:25%より大きく100%未満と分類した。成績は2走以上した馬を成功、1走もしくは出走できなかった馬を不成功とした。結果
競走馬24頭、非競走馬2頭であった。12頭(50%)が競走復帰し2走以上した。G1の骨折では8/14が2走以上、G2では4/10が2走以上した。関節におよばない骨折では10/16が2走以上したのに対し、関節におよぶ骨折では2/8が2走以上した。しかし、骨片の大きさおよび関節におよぶかどうかは、成績と有意な相関が認められなかった。結論と臨床的関連性
種子骨底部の部分骨折では関節鏡で除去すると競走復帰の予後はfair(五分)である。