育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

獣医師求む!

ついに募集開始です。馬臨床やりたい獣医学生さん、いっぺん見に来てみてhttps://t.co/bxaXX8XIVN— 育成馬臨床医のつぶやき (@eps_memo) 2021年4月15日 BTC(軽種馬育成調教センター)では、令和4年4月1日に獣医師を採用予定のため現在募集しています。調教…

足根骨骨折を保存的に管理した25例の長期成績(Murpheyら 2000年)

飛節構成骨である足根骨は、近位-遠位方向の体重による負荷を受け、盤状に骨折します。 大きな骨片は内固定術を行うことが推奨されていて、競走中により大きな負荷がかかると想定されるサラブレッドでは、保存療法では競走復帰の率が低いことが知られていま…

管骨後面の外骨症16例(Bertoniら JAVMA2012)

球節より近位の管骨後面には、ときどき外骨症という骨形成がみられることがあります。これまで私が経験した症例は、特にこれに関連した臨床症状がない、たまたまみつかった(偶発的な)所見にすぎませんでした。超音波検査を行った症例でも、明らかに繋靭帯…

スタンダードブレッドの成長板閉鎖と成績や損傷との関連(Gabelら 1977年)

成長板の閉鎖は、長骨成長の終わりを反映しています。これまでに紹介してきたとおり、その時期は部位によって異なり、サラブレッドであれば5-6歳まで成長することが知られています。 equine-reports.work 骨の成長の指標となることは分かりましたが、骨が成…

馬の部位別の成長板閉鎖時期とALP動態(Strandら 2007年)

馬の長骨の伸長をつかさどる成長板は、肢端から順番に閉鎖し成長が止まっていきます。馬において最も骨が成長する時期は生後6か月で、それ以降は徐々に成長が止まっていきます。 サラブレッド種の馬において、球節部(第一指骨と第三中手/中足骨)の成長板は…

馬の成長板軟骨におけるALPの局在(Hensonら 1995年)

骨代謝のマーカーとしてモニタリングされることの多いALP(アルカリフォスファターゼ:アルフォス)について馬での軟骨における活性動態を調べた文献があります。 はじめに 研究の目的 結果と考察 参考文献 はじめに この文献では、まず成長板に存在する軟骨…

成長期の馬の骨代謝活性(Priceら 2001年)

骨形成マーカーの例 骨吸収マーカーの例 骨代謝マーカーを用いた診断 馬における骨代謝マーカー 文献でわかったこと 所感 参考文献 ヒトでは、骨代謝マーカーが複数報告されており、骨疾患の診断にも用いられています。 骨代謝には、骨の形成にかかわるマー…

骨代謝マーカーの年齢による変化(Priceら EVJ1995年)

骨形成マーカーの例 骨吸収マーカーの例 骨代謝マーカーを用いた診断 馬における骨代謝マーカー 文献でわかったこと 所感 参考文献 ヒトでは、骨代謝マーカーが複数報告されており、骨疾患の診断にも用いられています。 骨代謝には、骨の形成にかかわるマー…

馬のALPアイソザイムと年齢、調教、病気による変化(Thorén-Tolling 1988年)

ALPには主に肝臓、腎臓、骨のアイソザイムが存在することが知られています。ルーティンな検査では総ALPのみ測定しますが、その内訳を知っておくことで馬の状態をよりよく理解できる可能性があります。 成馬では主に肝臓型のALPが血中に存在します。新生児か…

若馬の橈骨遠位骨端部のシンチグラフィ所見(Uhlhornら 2000年) 

成長板が閉鎖したあとは、軟骨内骨化が盛んだったその部位では何が行われているのでしょうか。 想定されるのは骨基質のターンオーバーですが。。。 シンチグラフィを用いて骨代謝の活性を評価してみた、という報告がなされています。X線検査で成長板閉鎖が確…

橈骨粗面の付着部損傷(Oikawaら 1998年)

馬の橈骨粗面は、橈骨背側近位に位置し、上腕二頭筋の橈骨頭が終止する部位です。 X線検査では、患肢を前に引っ張って保定し、外内方向に撮影することで評価できる像が得られます。 まれにではありますが、腱靱帯付着部にかかるテンションに耐えられず、障害…

去勢術後の合併症レビュー:現場での治療戦略(Getman 2009AAEP)

馬の去勢術は、よく行われる手術の一つですが、合併症の発生率は比較的高いです。 軽度な腫脹、漿液腫、出血などから、感染、腹膜炎、腸管脱出、陰茎損傷、陰嚢水腫といった比較的重度な合併症も発生することがあります。 馬の解剖学的な素因(腹腔内や鼠径…

ヘンダーソン式去勢術に関連した合併症の発生率(Hintonら EVJ2019年)

馬の去勢術の術式のひとつとして、ヘンダーソン式去勢術が考案・実施されています。この方法は、ヘンダーソン式去勢具に精索を挟み込み、これを電動ドリルまたは手動で回転させて捻じ切るという術式です。 ※下記リンクは実際の手術写真を含みますので閲覧に…

去勢術後の精索の感染:23症例の回顧的研究(Claffeyら VetSurg2018年)

去勢術後の合併症である精索への感染を外科的に処置した症例の報告。

去勢術後の炎症反応のモニタリング(Jacobsenら EVJ2005年)

去勢術後の炎症をモニタリングするための急性相タンパク質の変化。

去勢術後の腸管脱出18例(Thomasら 1998年)

去勢術後の腸管脱出は、広く開いた鼠径管が腹腔に通じており、そこから小腸を主とした内臓が逸脱することを指します。 これは手術の体位(立位、仰臥、横臥)や手技によらず、術後4時間以内に起きると報告されていますが、最長で12日後に逸脱に気づいたとい…

去勢術の合併症に関する複数病院での前向き調査(Hodgonら 2019年)

英国での去勢術に関連した合併症の前向き調査をまとめた報告。

馬の去勢手術の合併症:324例の解析(Kilcoyneら JAVMA2013年)

カリフォルニア大学デイビス校の獣医教育病院で行った300頭以上の去勢手術とその合併症をまとめた文献が報告されています。 ここでは、合併症の発生率は10.2%、致命的な腸管脱出の1頭を除き、全て回復したと報告されています。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 目…

馬の去勢術における合併症の調査(Mollら 1995年)

米国の馬臨床医に対して行った、去勢術後の合併症聞き取り調査の結果をまとめた。

シンチグラフィ検査による肋骨骨折の診断(Dahlbergら 2011年)

肋骨骨折は馬の跛行の原因のひとつになります。 特に頭側の肋骨骨折は前肢跛行の原因となりますが、肩から上腕の分厚い筋肉に包まれており、X線検査による診断は困難です。 このような疾患にはシンチグラフィ検査が有効となります。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov…

種子骨軸側の骨髄炎(Winsterら EVJ1991年)

種子骨軸側辺縁の骨髄炎は、X線検査でこの部分の透過性亢進やシスト状所見として認識されます。 感染性関節炎や腱鞘炎に関連する病態もあれば、種子骨間靱帯による繰り返し負荷による慢性の病態もありそうです。 跛行のグレードは非常に悪く、治療も難しいよ…

X線検査で診断のつかない球節のMRI所見(Kingら 2013年)

以前、診断麻酔についてまとめた報告をしたことがあります。球節部に疼痛があると判断した馬のなかで、X線や超音波検査で診断がつかなかった症例は、〇%でした。この場合、どこに原因があるかよくわからず、症状が緩和するまで一定期間休養するしかありませ…

歯根膿瘍と顎骨骨髄炎の治療

馬の歯科疾患で最も多い歯根膿瘍と、外傷性骨折などから発生しやすい顎骨骨髄炎

馬の偽性血小板減少症の1例(Hinchcliffら JAVMA1993年)

馬におけるEDTA処理した血液による偽性血小板減少症

アザチオプリンを用いた馬免疫介在性血小板減少症の治療(Humberら JAVMA1991年)

馬の免疫介在性血小板減少症に対するアザチオプリン投与による治療。

フローサイトメトリーを用いた血小板に結合した抗体の検出(Kimberleyら JAVMA2004年)

免疫介在性血小板減少症の診断に、フローサイトメトリーによるIgG抗体結合血小板の検出を用いた報告。

馬の血小板減少症:1989-1994年の35例(Sellonら JVIM1996年)

はじめに 血小板とは 血小板減少症 免疫介在性血小板減少症 文献でわかったこと 血小板減少症の症例 血小板減少症と関連のある疾患 予後 参考文献 はじめに 血小板とは 血小板は体内で1日当たり35,000/µL産生され、4-5日で破壊・回収されます。 血小板は、止…

種子骨骨折と軟骨下骨の局所的な骨減少症との関連(Shafferら EVJ 2021)

種子骨骨折は、競走馬の致命的な骨折のなかで最も多く、特に両軸性(内と外を同時に)骨折すると、球節(第一指節関節)の脱臼につながる危険性があります。 最近発表された研究結果では、両軸性骨折した種子骨とその他の原因で安楽死となった馬の種子骨を比…

1歳セリのレポジトリにおける種子骨炎の評価指針

種子骨炎の評価方法についてまとめられています。セリのレポジトリ閲覧の参考にどうぞ。 (軽種⾺における レポジトリーのためのX線検査ガイド ⽇⾼軽種⾺防疫推進協議会,⽇本中央競⾺会⾺事部)

中手掌側の神経ブロックがエコー所見に与える影響(Zekasら VRU2003年)

神経ブロック直後に画像診断を行うべきか、影響はあるか。