ボーンシストに対する搔爬術は跛行の程度を改善するために有効な治療法であることが示されてきました。しかし大きなボーンシストの病変では治療成績が思うように向上してきませんでした。 これまでの搔爬術では成績の改善に限界がありました。それは関節軟骨…
超音波検査は関節内の軟部組織を評価するのに優れています。軟骨、靭帯のほか、膝関節にしかない半月板も一部は評価することができます。特に大きな関節になればなるほど、超音波で評価できる領域が増えます。 一般的に関節荷重面は評価することが難しく、こ…
関節鏡による大腿骨内側顆のボーンシスト搔爬術はいくつかの成績が報告されています。AAEP2002年にSandler先生が発表した時には、関節鏡で搔爬するシストの大きさが小さいほど復帰率が高いことが報告されました*1。このことから関節面を温存することが大事か…
1998年にコロラド州立大のMcIlwaith先生がまとめられたボーンシストについてのまとめです。少し古めの記事ですが、過去にどのように報告されてきたか、関節ごとにまとめられています。それぞれについて診断や治療オプションについても記載されています。 病…
競走馬のせりではレポジトリ検査として喉頭内視鏡検査とX線検査の結果が公開されています。様々なX線所見が得られ、それが将来的な競走成績にどう影響するのかは関心の高い領域ですが、まだわかっていないことも多いのが現状です。 軽種馬におけるレポジトリ…
大腿骨内側顆の骨嚢胞は跛行とパフォーマンスの低下を引き起こす、若い競走馬に多く見られる疾患であり、育成初期に発症することが多く、育成牧場ではよく問題になります。 この疾患に対してはこれまで様々な治療方法が試みられており、報告されてきた成績を…
1988年にまとめられた報告では、ボーンシストに対して関節切開による病変部の搔爬術が行われていました。術創に関するトラブルは思ったほど少なく、跛行の改善が得られる治療法として報告されました。 この報告においても、病変部の搔爬術後に病変部のX線所…
大腿骨内側顆の骨嚢胞(ボーンシスト)はどの時期に形成されるのでしょうか。1歳せりではよく見かける所見ですが、当歳の時期からすでに所見があるのでしょうか。日本の日高地方ではせりに向けて1歳の7月から9月に検査が行われるため、3月から4月に生まれた…
胸腰椎、腰仙椎および仙腸関節の病変はプアパフォーマンスの原因になることが明らかにされてきました。棘突起衝突や椎体間関節炎についてよくわかってきましたが、脊椎症についてはまだ情報が限られています。脊椎症は椎体間の関節癒合または変形性疾患で、…
椎骨の病態は馬における跛行や背部痛の原因となりますが、腰椎には手が届かず、診断や治療の方法が限定されていて難しいのが現状です。しかしながら、競走中に椎骨の骨折が起こることがあり、そのほとんどは腰椎で発生します。腰椎の骨折は、典型的には外傷…