育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

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競走馬における動的な咽頭虚脱(Boyleら2006)

運動時内視鏡でしか診断できない上気道閉塞の疾患のひとつに、動的な咽頭虚脱があります。 経験的には安静時内視鏡検査において鼻腔閉塞により吸気圧を高めることで背腹方向の咽頭壁の不安定がみられることがあります。しかし、トップスピードでの走行時と比…

動的な輪状気管靱帯虚脱の診断と治療(Kellyら2015)

馬の上気道疾患は、気道が閉塞することにより運動時の換気が低下し、プアパフォーマンスに繋がると考えられています。 近年、運動時内視鏡検査が行われるようになり、上気道の様々な動的異常が判明しています。その中のひとつが輪状気管靱帯の動的な虚脱です…

腕節の内側側副靱帯損傷(Quineyら 2020)

関節の側副靱帯は、内外方向の安定性を保つ構造です。これが損傷してしまった場合、重度の跛行を呈し、場合によっては運動復帰が難しいことも多いです。 また、関節の安定化が得られるまで、長期間の運動制限が必要となります。 馬術競技馬の腕節側副靱帯損…

繫靱帯脚部のSplitには非負重時の超音波検査(Werpyら 2020)

繫靱帯脚部の評価として一般的に用いられる検査方法は超音波検査です。しかし、近年より高度な画像診断であるMRIが立位鎮静下で実施可能となり、これまで判明していなかった病態が明らかになってきました。MRIと超音波検査では画像診断装置の仕組みが違うた…

中心および第三足根骨盤状骨折の内固定術成績(Winbergら 1999年)⑤

その① はじめに equine-reports.work その② 調査の内容 equine-reports.work その③ 成績 equine-reports.work その④ 考察前半 equine-reports.work 考察 手術手技について MartinとHerthelらが1992年に報告した4.5mmハーバートスクリューによる整復方法があ…

中心および第三足根骨盤状骨折の内固定術成績(Winbergら 1999年)④

その① はじめに equine-reports.work その② 調査の内容 equine-reports.work その③ 成績 equine-reports.work 考察 病態について 筆者らの病院で行った内固定術のうち5%がこの骨折。スウェーデンではスタンダードブレッド競走馬に多くみられる。 遠位足根骨…

中心および第三足根骨盤状骨折の内固定術成績(Winbergら 1999年)③

その① equine-reports.work その② equine-reports.work 成績 臨床症状 レースや強調教後に中程度の跛行(グレードは10段階でほとんどが4-5)。発症から10-14日の期間で徐々に良化し、来診時グレード2-3であった。 身体検査 飛節の背側で熱感・疼痛あり。腫…

中心および第三足根骨盤状骨折の内固定術成績(Winbergら 1999年)②

その① equine-reports.work 症例 スウェーデンの馬病院で足根骨盤状骨折を診断し、内固定手術した20頭。 【血統と用途】 18頭はスタンダードブレッド競走馬、1頭はサラブレッド競走馬、1頭はスウェーデン温血種で馬術競技馬。 【年齢】 年齢は1-8歳で、15頭…

中心および第三足根骨盤状骨折の内固定術成績(Winbergら 1999年)①

はじめに 足根骨の骨折は、競走馬で報告され、特にスタンダードブレッド種での治療報告が多い疾患です。第三足根骨のほうが中心足根骨よりも多いという報告もありますが、まだ症例数の多い報告はありません。骨折の発生は、足根骨の背側面で最も起きやすいと…