育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

反回喉頭神経症

競技、競走および調教中の馬のプアパフォーマンスの原因348症例、1992−1996年(Martinら)

馬のプアパフォーマンスの原因を特定するためには、運動中にどのような異常が起きているかを知る必要があります。 よく聞かれるプアパフォーマンスの例は、運動中に異常な呼吸音がする(ヒューヒューやゴロゴロ)、息の入りが悪い、苦しがる、途中でフワッと…

馬における高速トレッドミルを用いた上気道検査:291頭の臨床例(Tanら2005)

運動時内視鏡検査では、複数の所見が見つかることが一般的です。いくつかの所見は関連しているかもしれず、特に披裂喉頭蓋ヒダの軸側変位は、その程度が重度であるほど、他の所見も多く見つかることがわかっています。 これらの所見が実際に臨床的にパフォー…

MRIとエコーで喉頭異形成を診断した5例(Garretら2009年)

喉頭片麻痺はほとんどが左に発生し、これは左反回喉頭神経が障害されやすいためと考えられています。これは解剖学的な特徴に起因するという通説がありますが、病態形成についてはまだまだ不明な点も残されています。 一方で右の喉頭片麻痺はあまり多くなく、…

トレッドミル内視鏡検査と超音波検査および安静時内視鏡検査との関連(Garrettら2011年)

反回喉頭神経症は、左反回喉頭神経の障害により、輪状披裂筋が神経原生筋萎縮をおこすことで、披裂軟骨の外転がうまくいかなくなることが主要な病態です。萎縮をおこした輪状披裂筋は、安静時の披裂軟骨の外転不全につながるだけでなく、運動などで呼吸時の…

馬のプアパフォーマンス:整形外科以外の診断について(Ellisら2022) ③上気道閉塞性疾患

プアパフォーマンス 馬におけるプアパフォーマンスの原因は様々です。まず思いつく原因として、整形外科的な疾患では関節炎や腱鞘炎、疲労骨折など疼痛や機械的な障害を伴うものがあります。ですが、他にも様々な呼吸器、循環器、消化器および筋肉の疾患があ…

喉頭形成術を行ったときに披裂軟骨横断靭帯が外転に及ぼす影響(Chesworthら 2019年)

喉頭形成術を行ったときに披裂軟骨横断靭帯が披裂軟骨外転に与える影響についての生体外での調査

喉頭形成術と披裂軟骨部分切除の比較(Radcliffeら 2006年)

運動時の喉頭片麻痺に対する治療としての喉頭形成術と披裂軟骨部分切除との比較

喉頭片麻痺とその治療による上気道内圧への影響(Williamsら 1990年)

左反回喉頭神経切断術、喉頭形成術および披裂軟骨亜全摘の最大運動強度における上気道圧への影響

喉頭片麻痺治療のための披裂軟骨部分切除の評価(Lumsdenら 1994年)

喉頭片麻痺の馬に対する治療法としての披裂軟骨部分切除の評価

喉頭片麻痺に対する披裂軟骨亜全摘(Belknapら 1990年)

喉頭片麻痺モデルのスタンダードブレッド種馬における、披裂軟骨亜全摘による運動時の上気道機能改善はうまくいかなかった

嚥下および鼻腔閉塞による披裂軟骨小角突起虚脱の誘発(Barakzaiら 2007年)

安静時の嚥下または鼻腔閉塞によって誘発された披裂軟骨の小角突起の腹軸側への変位

喉頭形成術後のプアパフォーマンスと異常呼吸音の原因(Davidsonら 2010年)

喉頭形成術後に異常呼吸音およびプアパフォーマンスを呈した45頭の運動時内視鏡検査

喉頭形成術後の外転維持と運動時の安定性(Barnettら 2013年)

喉頭形成術後の33頭における長期間の披裂軟骨外転の維持と運動中の安定性

ナショナルハント競走馬における喉頭形成術の成績(Barakzaiら 2009年)

ナショナルハント競走馬において、喉頭形成術後の披裂軟骨外転の程度は術後の競走成績と関係しない。

反回喉頭神経症に対する声帯声嚢切除のみでの治療(Taylorら 2006年)

反回喉頭神経症に対して声帯声嚢切除のみを行った治療:92頭の長期成績

喉頭片麻痺に対する喉頭形成術と声帯および声嚢切除(Kiddら 2002年)

喉頭片麻痺の馬における、喉頭形成術、声嚢切除および声帯切除による治療

動的な喉頭虚脱と軟口蓋機能不全の安静時および運動時の内視鏡所見(Barakzaiら 2010年)

動的な喉頭虚脱と軟口蓋機能不全を呈す馬の安静時と運動時の内視鏡検査所見の相関

1歳馬の安静時と運動時の内視鏡検査(Kellyら 2013年)

57頭のサラブレッド1歳馬における上気道の安静時と運動時の内視鏡検査の比較

安静時内視鏡検査は反回喉頭神経症の診断ツールとなるか(Elliottら 2019年)

反回喉頭神経症の診断ツールとしての安静時内視鏡検査による喉頭評価のメタ解析

オーバーグラウンドとトレッドミル内視鏡検査の比較(Allenら 2010年)

英国のサラブレッド競走馬におけるオーバーグラウンド内視鏡検査とトレッドミル内視鏡検査の比較

オーバーグラウンド内視鏡検査中の運動条件と結果の相関(Allenら 2010年)

英国のサラブレッド競走馬における運動時内視鏡検査を用いた運動試験の評価と運動試験が動的な上気道閉塞の診断に与える影響

運動時内視鏡と安静時内視鏡検査所見の相関(Davidsonら 2017年)

311頭のサラブレッド競走馬における運動時内視鏡検査:所見と安静時喉頭機能評価との相関

反回喉頭神経症の進行を運動時の内視鏡検査で確認した3例(Davidsonら 2007年)

現在では、喉頭片麻痺(反回喉頭神経症)は進行性の病態であると考えられています。病態が進行する速度や、いつ症状が現れ始める時期は馬によって異なります。順調な競走成績が得られていても、ある日から急激にパフォーマンスを落としてしまう可能性もある…

反回喉頭神経症の進行がみられた152例(Dixonら 2002年)

反回喉頭神経の臨床的、内視鏡的に進行所見がみられた152例

トレッドミル内視鏡検査での動的気道閉塞の診断 パート2(Laneら 2006年)

馬の動的な上気道閉塞 パート2:600頭のサラブレッド競走馬における安静時と高速トレッドミル内視鏡検査所見の比較

トレッドミル内視鏡検査での動的気道閉塞の診断 パート1(Laneら 2006年)

馬の動的な上気道閉塞 パート1:600頭のサラブレッド競走馬で行った、高速トレッドミル内視鏡検査での上気道閉塞所見

喉頭形成術と声帯声嚢切除の術後長期調査 パート2(Dixonら 2003年)

老齢の雑種馬200頭における喉頭形成術と声帯声嚢切除の長期間調査パート2:馬主による手術価値の評価

喉頭形成術と声帯声嚢切除の術後長期調査 パート1(Dixonら 2003年)

老齢の雑種馬200頭における喉頭形成術と声帯声嚢切除の長期間調査パート1:外科的な披裂軟骨外転の維持と手術の合併症

喉頭形成術と声嚢切除の術後成績(Russelら 1994年)

喉頭片麻痺に対し喉頭形成術と両側声嚢切除術を行った馬の術後パフォーマンスの分析:70頭(1986-1991年)

オーストラリアにおける高速トレッドミル内視鏡検査(Dartら 2001年)

馬の上気道機能不全の診断における高速トレッドミル内視鏡検査の評価