育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

去勢術

去勢術後の合併症レビュー:現場での治療戦略(Getman 2009AAEP)

馬の去勢術は、よく行われる手術の一つですが、合併症の発生率は比較的高いです。 軽度な腫脹、漿液腫、出血などから、感染、腹膜炎、腸管脱出、陰茎損傷、陰嚢水腫といった比較的重度な合併症も発生することがあります。 馬の解剖学的な素因(腹腔内や鼠径…

ヘンダーソン式去勢術に関連した合併症の発生率(Hintonら EVJ2019年)

馬の去勢術の術式のひとつとして、ヘンダーソン式去勢術が考案・実施されています。この方法は、ヘンダーソン式去勢具に精索を挟み込み、これを電動ドリルまたは手動で回転させて捻じ切るという術式です。 ※下記リンクは実際の手術写真を含みますので閲覧に…

去勢術後の精索の感染:23症例の回顧的研究(Claffeyら VetSurg2018年)

去勢術後の合併症である精索への感染を外科的に処置した症例の報告。

去勢術後の炎症反応のモニタリング(Jacobsenら EVJ2005年)

去勢術後の炎症をモニタリングするための急性相タンパク質の変化。

去勢術後の腸管脱出18例(Thomasら 1998年)

去勢術後の腸管脱出は、広く開いた鼠径管が腹腔に通じており、そこから小腸を主とした内臓が逸脱することを指します。 これは手術の体位(立位、仰臥、横臥)や手技によらず、術後4時間以内に起きると報告されていますが、最長で12日後に逸脱に気づいたとい…

去勢術の合併症に関する複数病院での前向き調査(Hodgonら 2019年)

英国での去勢術に関連した合併症の前向き調査をまとめた報告。

馬の去勢手術の合併症:324例の解析(Kilcoyneら JAVMA2013年)

カリフォルニア大学デイビス校の獣医教育病院で行った300頭以上の去勢手術とその合併症をまとめた文献が報告されています。 ここでは、合併症の発生率は10.2%、致命的な腸管脱出の1頭を除き、全て回復したと報告されています。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 目…

馬の去勢術における合併症の調査(Mollら 1995年)

米国の馬臨床医に対して行った、去勢術後の合併症聞き取り調査の結果をまとめた。