英国で行われた馬の去勢術に関する前向きな調査をまとめたリバプール大学からの報告があります。
この報告では、合併症の報告にバイアスがある可能性はあるものの、その発生率は細かいものも含めて術中14.5%、術後30日以内に11.2%でした。
最も多いのはやはり腫脹で、次いで感染、歩様の硬さであり、深刻な合併症はほとんどありませんでした。
背景
去勢術はよく行われているが、合併症のタイプや最新の最も良い方法は分かっていない。
目的
本研究の目的は、一般的な診療で行われる馬の去勢手術について、前向きな調査を行い、合併症の発生率を明らかにし、合併症に関連する要素を明らかにすることであった。
研究デザイン
多中心、前向きな去勢術の調査
方法
18の病院から去勢術を行った馬のデータを集めた。術後30日までの追跡調査を行い、合併症を記録した。合併症の発生頻度を記録した。また、合併症で最も多い術後24時間以内の出血、歩様の硬さ、腫脹、排液、感染と関連する要素について、多変量解析をもちいて調査した。
結果
53人の外科医によって行われた、495件の去勢術についてのデータが回収された。2/3以上の外科医が野外で去勢術を行っており、21%は立位鎮静、79%は倒馬して行われた。これらのほとんどは術前にNSAIDsと抗菌薬の投与を受けていた。1つ以上の術中合併症が14.5%で認められ、最も多かったのは出血と体動であった。392頭の馬で30日までの追跡調査が可能であった。1つ以上の術後合併症が44(11.2%)の去勢術で認められた。腫脹が最も多く、感染と歩様の硬さが続いた。重篤な合併症はほとんどなかった。
主な限界
合併症が発生した手術のデータが提出されることにバイアスがある可能性はある。合併症の発生率が低く、関連する要素を解析するには十分でなかった。たいしたことない合併症は、馬主から報告されず見つかっていないかもしれない。
結論
全体として、去勢術に関連した合併症の発生率は低く、亡くなることはほとんどなかった。本研究の結果は、負の結果が比較できるか、さらなる調査を行う価値があるかを明らかにするために病院で行う調査のガイドラインとして使うことができる。