種子骨骨折の各論、最終回です。今回は軸外側の骨折とまとめです。
軸外型骨折のX線正面(背掌/底側)像
軸外型骨折の内外撮り下ろし像 骨折した種子骨側にカセッテを当て、50-60度撮り下ろすことで明瞭に骨片を描出できる。
軸外型骨折
非関節性の軸外型骨折は保存療法が選択されてきたが、関節性骨片は尖部骨折と同様に関節鏡下で除去されて良好な予後が報告されている。47頭の関節性軸外型骨折を関節鏡下で除去した報告では、71%(25/35)が競走復帰し、9/25はクラスが下がった。非関節性の軸外型骨折を除去するとなったら、エコーガイドすることで骨片を開放創で取り出すことが可能で、繋靭帯の損傷も最小限にできる。
結論
単純な関節性種子骨骨折の予後は、関連する靭帯や関節損傷の程度に大きく依存する。関節性の尖部、基部、軸外型骨折では積極的に摘出術を勧める。体中央部の骨折の予後は、これらに加えて、術中の整復度合いに依存するし、全体的に他のタイプよりも予後はよくない。
Diagnosis and management of proximal sesamoid bone fractures in the horse
おわり
ひとこと
実際に診療している印象や、記録を回顧的に調査した結果からは、私の知る限りではもう少し競走復帰・出走率は良いように感じます。ただ、その後のパフォーマンスという点では、やはり出走回数が少なかったり、入着できなかったりと能力に与える影響は大きいと感じます。