ヒトや動物で広く使われているAOの皮質骨スクリューと、Acutrak®(アキュトラック)スクリューを用いて、種子骨体中央部骨折モデルを整復し、負荷試験を行って力学的特性を比較しました。正常肢との比較ではやはり劣ってしまうため、外固定による支持が必要です。
*Acutrak®(アキュトラック)スクリューの特徴*
〇ネジ山の高さと広さが連続的に変わっている
〇スクリューヘッドがない
〇フルスレッドでセルフタッピング
〇ガイドワイヤー付きもある
詳細はこちらからご確認ください。
A Biomechanical Comparison of Headless Tapered Variable Pitch Compression and Ao Cortical Bone Screws for Fixation of a Simulated Midbody Transverse Fracture of the Proximal Sesamoid Bone in Horses
Alison L Eddy , Larry D Galuppo, Susan M Stover, Kenneth T Taylor, David G Jensen
Vet Surg. 2004 Vol.33(3):253-62.
目的
種子骨体中央部の横骨折を整復するために、4.5mmAO皮質骨スクリューをラグスクリューで用いる方法と4/5mmアキュトラックスクリューを用いたセルフコンプレッションスクリュー法がある。この二つの方法の力学的特性と破綻の特徴を比較すること。研究デザイン
生体外で、正常な前肢および骨体横骨折モデルをスクリューで整復した前肢について生体力学的評価を行った。検体
解剖体の前肢から16対の前肢と8つの片側前肢を得た。方法
8頭の解剖体から採取した両前肢の内側種子骨に骨体中央横骨折モデルを作成した。それぞれの馬で1肢はAOスクリューによる固定、反対肢はアキュトラックスクリューで整復した。正常肢も8肢用意し研究に用いた。力学的特性は、軸側方向の圧迫力を、破綻するまでの1サイクルで荷重変形曲線を用いて評価した。破綻の特性はビデオおよびX線検査で評価した。結果
整復した群で統計学的な有意差は認められなかった。合成を除き、どちらの整復法も正常肢と比較して力学的特性は有意に劣っていた。結論
AOおよびアキュトラックスクリューは体中央部横骨折モデルを安定化させるためには力学的に同等であった。しかしどちらも正常肢と比べると力学的には劣っていた。臨床的関連性
アキュトラックスクリューは、ステンレス鋼製のAOスクリューと比べて軟部組織への衝突が少なく、生体適合性も優れることから臨床応用を考慮すべきである。しかし、どんな内固定方法を用いても術後は外固定を行い、球節の固定角度は背側が150‐155度になるよう維持する必要がある。