文献のハイライト
38頭の喉頭蓋エントラップメントに対して、29頭で経鼻粘膜切開を行った。
22頭は改善し、4頭は再発した。6頭は再手術、2頭は3回の手術を要した。
14頭は異常呼吸を示さず競走に復帰した。
”要約
38頭の喉頭蓋エントラップメント罹患馬を調査した。うち29頭の背側に変位した粘膜を経鼻で曲がったフック型ナイフをもちいて軸側方向に切開した。他に、4頭は喉頭蓋下の粘膜切除、4頭は抗炎症薬のスプレー噴霧のみを行った。術後は全て抗炎症薬のスプレー噴霧と、フェニルブタゾンの全身投与を行った。喉頭切開を行った馬は、術創が治癒するまで馬房内休養を行った。他は、10日後の再検査までは常歩から速歩運動にとどめた。ここで治癒が確認されれば、完全な運動に復帰した。軸側切開を行った22頭でエントラップメントは緩和されたが、4頭は再発し、3頭は追跡できなかった。粘膜切開の4頭中2頭はうまくいったが、ほかの2頭はレーザー治療を要した。内科的治療でも4頭中3頭は復帰できた。38頭のうち、6頭は再手術、2頭は3回目の手術を要した。軸側切開を行ったうち、14頭は異常呼吸音がなく競走に復帰し、4頭は勝利した。まとめると、経鼻のフック型ナイフによるエントラップメント切開は、安全で安価でうまくいく方法である。”