第三足根骨の盤状骨折は、主に競走馬で発症がみられ、保存療法では癒合不全や変形性関節症による慢性跛行が残る可能性があります。外科的に骨片を内固定し不動化することで、復帰率を改善できることがわかってきました。特にこの文献の方法では、79%が競走復帰したとされています。
“要約
研究を実施した理由
第三足根骨の盤状骨折を最小限の侵襲で整復する手技についてはこれまでに報告されていない。サラブレッド競走馬における第三足根骨の盤状骨折整復術の成績はほとんどない。
目的
第三足根骨の一平面上の盤状骨折を3.5mm皮質骨スクリュー1本によるラグ法で整復した成績を報告すること。
研究デザイン
回顧的症例集
方法
この方法で手術した馬の医療記録を回顧的に調査した。
結果
17頭に対してこの手術を行った。うち18%は楔状の第三足根骨形状をしていた。長趾伸筋腱と外側趾伸筋腱の中間、中心遠位および足根中足関節の中間にインプラントを挿入するのに適した切皮を行った。骨折の部位、形状、第三足根骨の湾曲度合い、背外近位から底内遠位方向へのスクリュー挿入が必要か、針を用いて位置決めした。術後4-6ヵ月で合併症はなく全ての骨折で治癒が見られた。論文執筆時点では79%の馬が競走復帰し、3頭はリハビリの最中である。
結論
本調査で用いた手技は、安全で適切で再現性のある第三足根骨盤状骨折の整復方法である。外科的整復は、保存療法の実行可能な代替法である。”