調査で分かったこと
飛節OCDのある症例では、背側だけでなく底側の関節包をルーティンに検査することでメリットがあるかもしれないという報告。
実は軟骨のごく小さな病変が約半分にみられ、10%ではX線検査で検出できない骨片を摘出することができました。追跡調査におけるパフォーマンスは、これまでと大きな差がありませんでした。
参考文献
目的
下腿足根関節のOCDに対して関節鏡手術を行った馬において、下腿足根関節背側および底側ポーチにおける臨床的な所見と病態を記述すること。
研究デザイン
回顧的コホート研究
動物
2005-2013年の期間に下腿足根関節のOCDに対する関節鏡手術で来院した馬102頭、144関節
方法
Rossdales馬病院で下腿足根関節のOCD除去手術を行ったすべての症例を調査した。3名のヨーロッパ馬外科専門医が担当した症例を含み、このうち1名は背側のポーチと同時に70の底側ポーチをルーティンに検査していた。追跡調査は構造化された質問と競走成績を用いて行った。記述的データと95%信頼区間を算出した。
結果
背側と底側のポーチを調査した症例では、軟骨の潰瘍および変性が22の背側ポーチ(31.4%)で、軟骨のwear line(ひび割れ)が32の底側ポーチ(45.7%)でみられ、7つの底側ポーチ(10%)から骨軟骨片を除去した。底側ポーチの軟骨にwear lineがみられた症例では、背側ポーチにはOCDを除く軟骨の異常所見は18(25.7%)でみられなかった。追跡調査が可能であった102頭のうち、34頭(66.7%)は術後に意図した用途に使えていた。
結論
下腿足根関節のOCD症例において、底側のポーチをルーティンに調査するキトで、関節の状態に関する情報を得ることができ、通常のX線画像診断では検出できない骨片を摘出することができるかもしれない。