育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

飛節のOCD術後のスタンダードブレッドとサラブレッド競走馬の術後パフォーマンス(Beardら1994)

調査で分かったこと

米国サラブレッドにおける調査では、競馬に出走する前の2歳までに飛節OCDが検出され、関節鏡手術により除去手術を行った症例は、2歳時までに43%3歳時までに78%が出走しており、その母系兄弟と出走率に差はありませんでした。

 

 

参考文献

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

2歳までの未出走の時点で、下腿足根関節のOCDを関節鏡により除去した64頭のサラブレッドおよび45頭のスタンダードブレッドの医療記録を回顧した。病変の部位は全ての馬で記録されていた。競走データは出走回数、2歳および3歳時の獲得賞金について、ジョッキークラブおよびアメリカトロッター協会から、症例馬とその母系兄弟の成績を集めた。109頭の馬において、174ヵ所の病変が認められた。病変の分布は過去に報告されているものと同様であった。スタンダードブレッドでは、手術したスタンダードブレッド馬のうち2歳での出走は22%、3歳での出走は43%であり、その母系兄弟は2歳時の出走42%、3歳時の出走50%であった。サラブレッドの症例のうち、2歳での出走は43%、3歳での出走は78%で、その母系兄弟の出走率は2歳時が48%、3歳時が73%であった。