育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

立位での棘突起骨切り術(Perkinsら 2005年)

棘突起骨折は、保存療法で良好な予後が得られ、変位した骨片も一体化して再配列して癒合することは紹介しました。

ただし、骨折の癒合がうまく起こらなかったり、疼痛を示し続ける場合は骨切り術が考慮されることもあるようです。

また、競走馬を含む競技馬で多くみられる棘突起の衝突は、背部痛の主な原因となることが知られています。診断的麻酔を行って、この部位の疼痛が確認された症例では、骨切り術による疼痛の解消が行われます。

今回は立位で行った棘突起骨切り術についての報告を紹介します。

 

   

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 ”要約

目的

 棘突起の部分的骨切り術を立位で実施し、それを記述し評価すること。

 

研究デザイン

 回顧的研究

 

方法

 傷害のある棘突起は局所麻酔を浸潤させ、立位沈静下で切除した。治療馬の医療記録を回顧し、病歴、身体検査およびX線検査所見、手術手技、術後合併症および結果を調査した。

 

結果

 5頭は棘突起の骨髄炎、4頭は棘突起衝突または骨折が原因で手術した。摘出は安全で効果的に行え、苦痛はなく、出血も最小限にできた。

 

結論

 棘突起の亜全摘は、立位意識下で安全に実施でき、全身麻酔にかかわるリスクを排除することができる。また、全身麻酔で横臥で手術をするよりも立位で行うほうが出血を抑えることができる。

 

臨床的関連性

 全身麻酔・横臥で行うよりも立位で行う骨切り術のほうがやりやすく見やすかった。立位骨切り術をすれば、全身麻酔による費用やリスクは避けることができる。”