関節を原因とする跛行と特定できているのにX線検査では診断できない(明確な所見が得られない)ときにはMRI検査が有効です。
特に軟骨下骨の損傷はMRIでみられる特定のパターンがあり、X線検査ではこれを検出することが難しいことがわかっています。
単純X線検査も画像の質は向上しているため、MRI所見とオーバーラップして異常な所見を検出できるよう検討する必要があります。
参考文献
目的
馬の遠位肢における軟骨下骨損傷を診断するためにMRIが使えるか評価すること
デザイン
回顧的研究
動物
11頭の馬
方法
跛行し、MRIにより軟骨下骨損傷が確認された馬の医療記録を回顧した。跛行の重症度と期間、治療法を記録した。成績は馬主またはかかりつけ獣医への聞き取りによるフォローアップ調査をもとに決定した。
結果
跛行の原因部位は身体検査および診断麻酔によって特定された。4頭は球節、5頭は遠位指節間関節、2頭は下腿足根関節が跛行の原因となっていた。跛行の期間は2週間から20ヵ月であった。MRI検査において、関節には軟骨下骨に異常な液体の蓄積がみられた。MRIで検出した異常所見はどれもX線検査ではみられなかった。すべての馬で軟骨下骨の損傷が診断された。4頭で関節鏡手術が行われた。MRI所見から4頭で関節と軟骨下骨の病変との連続が疑われ、1頭は関節鏡手術にて、もう1頭は剖検時にこの所見が確認された。
結論と臨床的関連性
他の画像診断で跛行の原因が確定できなかった場合、MRI検査は診断に有益な情報が得られた。軟骨下骨の損傷はMRIで明確に診断でき、これはX線検査で所見が不確かな症例において跛行の原因となることを考慮すべきである。
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