関節の側副靱帯は、内外方向の安定性を保つ構造です。これが損傷してしまった場合、重度の跛行を呈し、場合によっては運動復帰が難しいことも多いです。
また、関節の安定化が得られるまで、長期間の運動制限が必要となります。
馬術競技馬の腕節側副靱帯損傷に対し、休養・制限した運動・レーザー治療を行い、運動復帰が可能であった2頭の症例報告があります。
文献
この症例報告は、腕節の内側側副靱帯損傷を認めた2頭の管理がうまくいったことを報告するものである。側副靱帯損傷は前肢跛行の原因としてはほとんどなく、報告があるなかでは、保存的管理では運動復帰の予後は悪い。症例馬はどちらも舎飼い休養、制限された運動、高出力レーザー治療によって治療した。どちらも以前の運動に復帰でき、1頭はグランプリクラスの馬場馬術、もう1頭は初級レベルの総合馬術に復帰した。適切な管理ができれば、腕節の側副靱帯損傷の予後は良好となる可能性がある。本研究からは、リハビリプログラムだけでなく、高出力レーザー治療を取り入れることで予後が改善されたかは不明である。