育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

オーストラリアのサラブレッド1歳馬におけるセリ後内視鏡検査は将来のパフォーマンスを予期できるか(Ahernら2022)

オーストラリア1歳セリで取引された馬の上部内視鏡検査を4年間分調査して、臨床的によく用いられるグレード分類を行った調査です。この分類と競走成績との関連を、オーストラリア国内での競走成績をもとに解析しています。 現在最もよく用いられている分類の…

バイオフィルムと馬の脚部の創傷 レビュー その⑤(Jorgensenら2021)

馬の下肢部(前肢なら腕節より下、後肢なら飛節より下)の創傷管理は困難を伴うことがあります。小さな創傷であったとしても治癒遅延がおきやすく、結果的に運動復帰が遅れてしまうことがしばしばあります。 これにはいくつかの要素がかかわっていると考えら…

敗血症性胸膜肺炎97症例の生存に関連する因子(Arroyoら2017)

輸送に関連した肺炎は重篤化する可能性があるため注意が必要です。 発熱、尾翼開帳呼吸、呼吸数増加、胸部痛(動くと痛い、唸る)、沈鬱(頭が下がったまま、飼い葉も食べない)、鼻汁がみられる症例では、胸膜肺炎を疑って早急に治療を開始することが重要で…

バイオフィルムと馬の脚部の創傷 レビュー その④(Jorgensenら2021)

馬の下肢部(前肢なら腕節より下、後肢なら飛節より下)の創傷管理は困難を伴うことがあります。小さな創傷であったとしても治癒遅延がおきやすく、結果的に運動復帰が遅れてしまうことがしばしばあります。 これにはいくつかの要素がかかわっていると考えら…

バイオフィルムと馬の脚部の創傷 レビュー その③(Jorgensenら2021)

馬の下肢部(前肢なら腕節より下、後肢なら飛節より下)の創傷管理は困難を伴うことがあります。小さな創傷であったとしても治癒遅延がおきやすく、結果的に運動復帰が遅れてしまうことがしばしばあります。 これにはいくつかの要素がかかわっていると考えら…

バイオフィルムと馬の脚部の創傷 レビュー その②(Jorgensenら2021)

馬の下肢部(前肢なら腕節より下、後肢なら飛節より下)の創傷管理は困難を伴うことがあります。小さな創傷であったとしても治癒遅延がおきやすく、結果的に運動復帰が遅れてしまうことがしばしばあります。 これにはいくつかの要素がかかわっていると考えら…

バイオフィルムと馬の脚部の創傷 レビュー その①(Jorgensenら2021)

馬の下肢部(前肢なら腕節より下、後肢なら飛節より下)の創傷管理は困難を伴うことがあります。小さな創傷であったとしても治癒遅延がおきやすく、結果的に運動復帰が遅れてしまうことがしばしばあります。 これにはいくつかの要素がかかわっていると考えら…

馬の寛結節の骨折1997−2007年の29症例(Dabareinerら2009)

馬の骨盤骨折は、身体の中心に近い位置にあり大きな筋肉に囲まれた骨のため、高線量のX線を必要とする点で現場での診断がつきにくい骨折です。また、骨盤を構成する腸骨、恥骨、坐骨は立体的な構造のため、平面的な画像のみでは全て評価するのは難しいと考え…

競技、競走および調教中の馬のプアパフォーマンスの原因348症例、1992−1996年(Martinら)

馬のプアパフォーマンスの原因を特定するためには、運動中にどのような異常が起きているかを知る必要があります。 よく聞かれるプアパフォーマンスの例は、運動中に異常な呼吸音がする(ヒューヒューやゴロゴロ)、息の入りが悪い、苦しがる、途中でフワッと…

CTは肘の跛行における病変を検出する画像診断技術である:99頭139関節の調査(Zimmermanら2022年)

肘関節を原因とする跛行は多くないものの、まれに橈骨近位や上腕骨遠位の関節面に形成される骨病変が跛行の原因として検出されることがあります。 身体検査で肘や肩の関節が腫れていることを確認することは難しく、屈曲痛を示さず、屈曲試験に反応しないこと…