育成馬臨床医のメモ帳

このサイトは、育成馬の臨床獣医師が日常の診療で遭遇する症例に関して調べて得た情報をメモとして残すものです。

深屈腱支持靭帯炎の臨床・画像の特徴(van den Beltら 1993年)

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

”要約

24症例の深屈腱支持靭帯炎の臨床的特徴および画像所見について報告する。温血種の乗用馬で年齢6-18歳(平均11.3歳)について支持靭帯炎に関連した跛行を認めた。ほとんどの症例で認められた強烈な臨床症状は、中手近位から中位の内外側における硬く痛みを伴う腫脹で、この部位は背側近位から掌側遠位へ斜めに走行する支持靭帯と一致した。超音波検査では支持靭帯の腫脹が共通して見られた。より局所的な損傷もまれにみられた。約40%の症例で、中手領域の他の腱靭帯(浅屈腱・深屈腱・繋靭帯)のどれかに併発する損傷を認めた。ほとんどの症例は、舎飼い休養や制限した運動といった保存療法で管理した。1-36ヵ月の期間で19頭の追跡調査が可能で、完全な運動に復帰したのは3頭のみであった。この損傷の予後には注意が必要なようだ。”