“要約
目的
調教および出走している若齢のスタンダードブレッド競走馬における、心エコー計測値の経時的変化を評価すること。心臓断面と競走パフォーマンスとの相関があるか明らかにすること。
デザイン
長期的観察研究
動物
103頭の馬
方法
2-3.5歳の馬に対し、6ヵ月間隔で4回心エコー検査を行った。
結果
調査期間中に有意な心肥大がみられ、左心室の遠心性心肥大による拡張期左心室内径LVIDd、左心室重量LVmass、平均左心室壁厚の増加が明らかであった。体重と左心室の大きさは正の相関があった。オスはメスと比較して有意に大きなLVIDdおよびLVmassを認めた。出走している馬は、未出走馬と比較して、大きなLVIDdおよびLVmassを示した。左心室の大きさと競走成績の間には有意な相関が認められた。4回目の検査時のデータで最も強い相関を認めた。
結論と臨床的関連性
本研究から、年齢および調教により有意な心肥大が起きていたため、若齢のスタンダードブレッド競走馬について、心エコー検査の結果を解釈するときには年齢を考慮に入れるべきだと示唆された。競走している馬では心臓が大きく、心臓の大きさは競走パフォーマンスとの相関が認められた。”