“要約
最小限の運動しかしていない29頭の臨床的に健常なサラブレッド種馬について、心臓断面および心機能の指標を計測した。心エコー検査はBモードおよびMモードで、解剖学的なランドマークをもとに標準化した断層画像を記録し、様々な断面で計測を行った。異なる計測方法を用いた比較も行った。さらに9頭について、最も価値があると思われた心エコーによる定量項目について計測を行った。BモードおよびMモードを用いた、様々な心臓断面像からの計測値を比較した。もっともこれらは測定方法が異なることも考慮に入れるべきである。本研究の結果から、心臓疾患を疑う症例から記録した項目と比較するために、健常な成熟したサラブレッドにおける心臓断面および機能に関する有効な参照値が得られた。心臓内のランドマークを頼りに画像断面を正しく描出し、測定する位置とタイミングが同一である場合に限り、比較は妥当である。”